オフェンスリバウンドで王者を圧倒
金丸晃輔と安藤誓哉、オーストラリア代表のニック・ケイを獲得し、オフの主役となった島根スサノオマジックが昨シーズン王者の千葉ジェッツをホームに迎えた。
原修太にドライブから初得点を奪われた島根だったが、すぐさま金丸が3ポイントシュートを成功させる。金丸はその後も積極的にシュートを狙い、4本中3本の3ポイントシュートを成功させると、マークを引きつけてはインサイドに合わせるなどオフェンスの主軸となった。ジョシュ・ダンカンに高確率でミドルシュートを決められ拮抗したが、千葉のジョン・ムーニーが左膝内側側副靱帯損傷で出場できない影響もあり、7本ものオフェンスリバウンドから9点のセカンドチャンスポイントを奪った島根が31-23とリードを奪った。
だが、第2クォーターに入ると千葉の逆襲が始まる。ディフェンスの強度を上げると、得意のトランジションオフェンスが機能。9-0と走り、ギャビン・エドワーズがインサイドで力を発揮して逆転に成功した。それでも、ディフェンスを立て直した島根は再びセカンドチャンスポイントが効果的に決まり、安藤とペリン・ビュフォードのランニングプレーが決まって49-43とリードして前半を終えた。
後半に入っても、オフェンスがディフェンスを上回るハイペースな点の取り合いが続く。島根は金丸が徹底的に抑えられるが、ギアを上げた安藤が4本すべてのフィールドゴールを成功させ、リード・トラビスが力強いプレーを披露する。千葉は富樫勇樹とギャビンのホットラインが絶好調なのに、8人が得点を挙げる波状攻撃で一歩も譲らない。
最終クォーターに入り、クリストファー・スミスに3ポイントシュートを決められ1点差に迫られたが、ここで崩れないのが今日の島根だった。安藤がすぐさま3ポイントシュートを決め返すと、ビュフォードの速攻で突き放した。そして、金丸が徹底マークを受ける中、このスペースを有効に使った安藤が違いを生んだ。安藤はケイの3ポイントシュートをアシストし、続けて自らも3ポイントシュートを成功させる。さらにトランジションからフローターを沈め、92-80と2桁のリードを奪い、オフィシャルタイムアウトを迎えた。その後、富樫やスミスの反撃を受けるが、速攻が機能して最後まで得点ペースが落ちなかった島根が最終スコア100-94で逃げ切った。
互いにトランジションを得意とするチームだけに、速攻での得点は島根が21、千葉が18と互角だったが、島根はオフェンスリバウンドで21-6と大きく上回り、セカンドチャンスポイントで22-9と圧倒したことが勝敗を分けた。
千葉はフィフティフィフティのボールがことごとく島根に渡る不運もあった中、接戦に持ち込んだ。前年度王者がこのまま終わるとは思えない。