ジャレッド・アレン

キャリア5年目の23歳だが「このチームじゃベテランだからね(笑)」

昨シーズン途中、ジェームズ・ハーデンが絡んだ大型トレードでキャバリアーズへと移籍したジャレット・アレンは、このオフに5年1億ドル(約110億円)の大型契約を結んだ。ケビン・ラブに続くチームで2番目の高給取りとなったことで、彼は大きな責任を背負うことになる。

まだ23歳ではあるがNBAキャリアは5年目。そしてキャブズは極端に若いチームであり、彼は自分のプレーだけ考えていればいいわけではない。球団はその才があると信じて大型契約をオファーしただけに、その信頼に応える義務がある。

アレンは言う。「確かにプレッシャーはある。胃が痛くなるようなものじゃなく、僕を奮い立たせてくれる類のプレッシャーだ。僕は僕らしい方法でチームを引っ張り、プレーでも責任を持たなきゃいけない。23歳はリーグ全体を見れば若手に入るだろうけど、このチームじゃベテランだからね(笑)。だから、自分がお手本になって若い選手を引っ張っていくつもりだ」

キャブズはレブロン・ジェームズが去ったのを機に一気に弱体化した。それでもコリン・セクストン、ダリアス・ガーランド、アイザック・オコロとドラフトで指名した選手は順調に成長しており、今年のドラフトでは1巡目3位で指名したエバン・モブリーという逸材もいる。再建モードから抜け出し、昨シーズンのホークスやニックスがそうだったように、一気に飛躍したいところだ。

「僕らには勝つ経験が足りない。でも、戦う準備はできている。これからトレーニングキャンプが始まるけど、僕らのシーズンはサマーリーグでもう始まっている。サマーリーグに参加した選手はもちろん、参加しなかった選手も手伝って、お互いがどのようにプレーするかの理解を進めようとした。このトレーニングキャンプでも、みんなでケミストリーを構築するよ」

昨シーズンは22勝しか挙げられず、ニックスのジュリアス・ランドル、ホークスのトレイ・ヤングのようなスター選手もいないキャブズに、世間はさほど期待していない。だが、そんな低評価もアレンにとってはモチベーションになる。

「外部の人たちがこのチームに多くの期待をしていないのは分かっている。でも、みんなには見えないだろうけど、どの選手も目の中には炎を宿している。みんな決められた時間より早く来てワークアウトをして、残ってウエイトトレーニングをしている。誰も見ていないところで必要な努力をちゃんとしている。だからシーズンが始まれば、みんなを驚かせられると思う。それが一番のモチベーションってわけじゃないけど、僕たちの力をみんなに見せたいという思いは強く持っている。僕たちはまだ若く、NBAで自分の道を見つけようと必死だ。だから今も頑張っているし、コートに立てば全力を尽くす。自分たちが何者かを証明したいんだ」

NBAにおいて若さは重宝されるが、いつまでも『将来有望な若手』ではいられない。ブレイクするなら早い方がいいし、若い才能に懸けるキャブズでのシーズンは、彼らそれぞれにとって大きなチャンスだ。アレンは言う。「まだ実感できてないけど、勝つことでこのチームは成長していくものだと思っている。だからこそ、自分たちが持っているすべての力を注ぎ込むんだ」