ケンバ「僕はずっとD-Roseの大ファンなんだ」
昨シーズンのニックスは41勝31敗という好成績を残し、東カンファレンス4位で8年ぶりのプレーオフ進出を果たした。今オフにはチームの核であるジュリアス・ランドルと新契約を結び、ベテランのデリック・ローズやタージ・ギブソンと再契約した。さらに実力者のケンバ・ウォーカーとエバン・フォーニエを獲得し、オフェンス面での強化に成功した。
ケンバが加入したことにより、誰が先発ポイントガードを務めるかが話題となっていた。指揮官のトム・シボドーは「何も決まっていない」と起用法について多くを語らなかったが、話題の中心であるローズ本人が「彼がスターターだ」と、ケンバが先発を務めるとメディアデーで発信した。「彼が先発し、僕はゲームを変えるためにどんなことでもやる。プレータイムについては何も心配してない。それはティブス(シボドー)が対処してくれるからね」
さらにローズはケンバが先発を務めるべき理由をこのように話した。「スターターはケンバだよ。ニューヨーク出身の彼には、多くのことを証明する必要がある。そのためのステージ、チャンスを与えなければいけないんだ。ポジションを奪い合う必要はない。僕は14年目で、ここにいられることに感謝している。僕の仕事は代わりを務めることで、その準備をしないといけない」
昨シーズンのローズはチーム3位の平均14.9得点を挙げたが、出場した35試合中に先発したのは3試合のみだった。自身が言うように、試合の流れを変え、ベンチからの得点源となるシックスマンが適しているのだろう。また、ローズは高校時代に対戦したことがあることを明かし、ケンバを高く評価した。
「彼とは高校時代にガーデンで対戦したことがある。彼には負けたよ。彼は常に闘争心を持っている気の強いガードで、ニューヨークのガードだ。ケンバ・ウォーカーを欲しがらないチームはない。欲しがらないほうがおかしい」
そして、一連の流れを知ったケンバは、自身がローズのファンであり、ニックスに加入した理由の一つになっていることを明かした。「(ローズの発言は)とてもクールだね。僕はずっとD-Roseの大ファンなんだ。彼の存在はここに来た大きな理由の一つだよ。先発かどうかはどうでもよくて、僕はただ勝ちたいだけなんだ。元MVPで、すべてを経験してきた彼が同じチームにいることは、僕にとって本当に特別なことだよ」
ローズはケンバのバックアップを務める発言をしたが、ケンバもまた、ローズの負担を減らしたいと考えている。「彼と特別な関係を築き、彼がリードできるようにしたいと思っている。昨シーズンのチームを見ていて、彼がどのようにプレーし、どのように自分を追い込んだかを知った。彼のプレッシャーを少しでも和らげたい」
このようにローズとケンバはお互いを尊重し合っている。ベテランながらも、スコアリングガードとして衰えを見せない二人が噛み合えば、ニックスが昨シーズン以上の成績を残す可能性は高い。