かつては敏腕代理人だったレオン・ローズ、ニックス再興の大仕事
昨シーズンのニックスは、NBAのサプライズチームとなった。昔気質の指揮官、トム・シボドーを新たなヘッドコーチに迎えたとはいえ、まだ再建の初期段階でプレーオフを狙えるようになるにはまだ数年かかると見られていたが、蓋を開けてみれば41勝31敗という好成績を残し、東カンファレンス4位で8年ぶりのプレーオフ進出を果たした。
球団社長のレオン・ローズは今年のオフ、チームの核であるジュリアス・ランドルと新契約を結び、ベテランのデリック・ローズやタージ・ギブソンと再契約。昨シーズンのチームのベースは引き継ぎながらも、新たなグレードアップをもたらす新戦力としてケンバ・ウォーカーとエバン・フォーニエを獲得した。
だが、ニックスが目指すところはまだまだ先だ。ローズは今後も積極補強をしていく考えを明かしている。
「これからも目の前の状況を精査しながら、チャンスがあれば積極的に動いていく。ただ、決断を下す時には慎重にならなければいけない。良い部分と悪い部分、短期的か長期的かを考えて、決定を下すつもりだ」
ニックスは、今後4年のドラフトで15枠の指名権を保持しており、そのうち6枠が1巡目。毎年のように有望な若手を獲得することができるが、チームはその次の段階に入ろうとしている。再建から『勝ちに行く』へと方針を切り替えるタイミングで、これらの指名権を活用したトレードでビッグネームの獲得に動く。
サラリーキャップに余裕のあるニックスは、デイミアン・リラードのようなビッグネームに移籍の噂が浮上する時には、必ずと言っていいほど名前が挙がる。だが、ローズはチャンスが来れば積極補強に打って出ると明言しながらも、今の選手たちを高く評価してもいる。
「チームの中枢を担う選手、リーダーシップの取れる選手は残したかった。デリック・ローズはチームのハートであり魂で、非常に重要な存在だ。アレック・バークスも何でもこなすスイスアーミーナイフのような存在だ。ナーレンズ・ノエルも素晴らしい仕事のできる守備のアンカーだ。そして素晴らしいプロフェッショナルであり、常に戦う男であるタージを呼び戻すこともできた」
シボドーのコーチングによりチームの土台が出来上がり、オールスター選手のランドルがいるのだから、ニックスは再びトッププレーヤーにとって魅力的なチームになろうとしている。
元代理人という経歴を持つローズは、今後も時制を見定めつつ、積極策を用いながらニックス再興という大仕事に挑む。