恩塚亨

「バスケ界に夢を残す。そのためにバスケ界のロールモデルになりたい」

バスケットボール女子日本代表のヘッドコーチに就任した恩塚亨は今日、就任会見を行った。

強化委員長を務める東野智弥は「アジアカップ、1年後に開催されるワールドカップ、パリ五輪の準備と勝利のために、トム・ホーバスを支え、日本バスケの多くを俯瞰できる目を持つ恩塚さんに、この積み上げの上に発展的な女子の強化を任せたい」と語る。

来週開幕のアジアカップに向けてすでにチームの指揮を執っている恩塚は、「これまで素晴らしい選手やコーチ、スタッフが築き上げてきた代表チームのバトンを受け継いで就任しました。私を信じてくださった皆さまの期待にお応えするために全力を尽くします」と語るとともに、「パリ五輪で金メダルを獲得し、皆さまと喜びを分かち合いたい。そのために『世界一のアジリティ』を追求して、身長の高さをアジリティで凌駕したい」と目標を掲げた。

その上で「強化の肝は目的の設定にある」と恩塚コーチは持論を語る。「バスケ界に夢を残す。私たちの挑戦を見て『私も頑張りたい』と夢を抱けるようになること。そのためにバスケ界のロールモデルになりたい。この挑戦が選手の本当の力を引き出せる、自分の頑張りが誰かの夢に繋がると信じている人間の方が、自分の夢だけを追う人間より強いと信じています」

「15年間代表にかかわってきて、自信が持てない選手を見てきました。代表選手であっても『私なんて……』と自信を持てない。バスケ界全体を見回すとこんな方が多くいると思います。だからこそ、理想を語る人が増えるよう、まずは私たちが語る。その人たちを応援できるようなバスケ界にしたい」

ワールドカップ、パリ五輪での優勝を目標として掲げて「代表は結果がすべてであることは理解している」と前置きしながらも、恩塚コーチは理想を語った。「それでも理想を語り、理想へ向かおうと生きること、挑戦し続けることができれば、夢を残すことができると考えています。ワクワクが溢れるバスケ界に、皆さんとともに向かって行ければと思います」