パトリック・ベバリー

「全員が責任を持つようになれば、チームは成功する」

パトリック・ベバリーはルーキーだった2012-13シーズンからロケッツで5年、クリッパーズで4年を過ごし、すべてのシーズンでプレーオフを経験してきた。ティンバーウルブズでの加入会見に臨んだ彼は、「それが変わるとは思わない」と言う。ウルブズがここ17年間で1度しかプレーオフに進出していないチームであっても、だ。

ガーソン・ロサス球団社長は「我々は文化、環境を変えなければならない。そのために必要なことを何でもしてくれるのが彼だと思っている。彼はチームのディフェンスそのものを変えることができる選手だ」とベバリーを紹介した。ベバリーも「僕が気にするのはプレシーズン、シーズン、最終的にはプレーオフに向けて正しいことをしているか。日々一貫して、どれだけ集中して取り組むことができるか。バスケットボールは変えられないが、それ以外のすべてのことを勝つためにコントロールしていくんだ」と語る。

ベバリーは優勝候補のクリッパーズで主力を務めていたが、今オフにグリズリーズに、そしてウルブズへとトレードされた。このところケガが多く、33歳になったことで評価を下げた結果で、万年下位のウルブズでプレーする意欲を見いだせずにまた移籍するのではないかと思われたが、ベバリーとウルブズは相思相愛の関係になっている。もっとも、これはロサスとベバリーの関係を知れば不思議ではない。2009年のNBAドラフトで42位指名を受けたものの契約に至らず、ギリシャとロシアでプレーしていた彼を見い出し、NBAでプレーするチャンスを与えたのは、当時ダリル・モーリーの下でロケッツのスカウティングを担当していたロサスだった。あれから10年、両者の信頼関係は変わっていない。

昨シーズンのウルブズは23勝49敗、プレーイン・トーナメント進出まで10ゲーム差とプレーオフ進出には全く届かなかった。カール・アンソニー・タウンズ、ディアンジェロ・ラッセル、マリク・ビーズリー、アンソニー・エドワーズと25歳以下のタレントが揃うもオフェンス偏重で、勝つ時は派手に勝つが、昨シーズンの72試合で連勝は3度しかなかった。ベバリーがディフェンスを変えれば、チームは変わるはずだ。

ベバリーはウルブズの若い選手たちに本当のバスケを教える指南役となるつもりだ。「僕はプレーオフ進出を狙うチームにも、優勝候補のチームにもいた。十分な準備をしないチームにいたこともある。それらの経験から、このチームに細かい部分を植え付けたい。このチームには若くて優秀な選手がそろっている。彼らが日々一貫してバスケに取り組むことを学べば、チームは今年だけでなく今後何年も成功を収められる」

「毎日の練習とシュートアラウンドに集中すること。ディフェンスのミスを減らし、チームとしての一体感を作ること。こういうことが勝利の文化になっていく。僕は素晴らしいチームにいた時も、そうでないチームにいた時も、常にベストを尽くしてきた。どのチームでも、そして選手でも、これは変わらない。それをゲームに応用できれば必ず成功を収められる」

「僕はチームメートに責任を持たせたいと思っている。誰も貶めることなく、誠実さを失わないように。そうやって全員が責任を持つようになれば、チームは成功するよ。僕はここで勝利を目指すんだ」