チナヌ・オヌアク

写真=Getty Images

現代ではレアな投法を受け継ぐビッグマン

9月3日、フリーエージェント選手のキャメロン・オリバー、ゲイリー・ペイトン2世、チナヌ・オヌアクの3選手が、トレイルブレイザーズのトレーニングキャンプに参加すると、『ESPN』が伝えた。

オリバーは、セブンティシクサーズの一員としてラスベガスでのサマーリーグに出場し、5試合で平均7.2得点を記録。ペイトン2世は、2013年にバスケットボール殿堂入りを果たしたゲイリー・ペイトンの息子で、昨シーズンはバックスとレイカーズで23試合に出場した選手だ。

3選手の中で異彩を放つのは、オヌアクだろう。2016年のドラフト全体37位でロケッツから指名され、NBAではキャリア2年で6試合に出場。ここ2シーズンの大半をGリーグのリオグランデバレー・バイパーズでプレーし、昨シーズンは40試合に出場して平均10.8得点、9.4リバウンドを記録したが、オフにマーベリックスにトレードされた後、解雇された。

オヌアクの代名詞となっているのが、現代では珍しい『アンダーハンド・フリースロー』だ。ルイビル大学出身のオヌアクは、大学2年から下手投げにフォームを変えたことで成功率を上げた。NBAでも過去に4本のフリースローを放ち、いずれも成功させている。一般的にフリースローを苦手としているビッグマンが多い中、下手投げのオヌアクは、Gリーグでの2シーズンで249本のフリースローを放ち176本を成功させ、70.7%という成功率を残している。かつては、1975年のウォリアーズ優勝に貢献し、1987年にバスケットボール殿堂入りを果たしたリック・バリーが下手投げの名手として知られたが、最近ではオヌアクの他、バリーの息子で現在ヨーロッパでプレーしているキャニオン・バリー以外にプロでは使い手が見られないレアな投法だ。

ブレイザーズのロスターは、すでに保障された契約を結ぶ15選手で埋まっているため、プレシーズンで結果を残せたとしても、オヌアクが勝ち取れるのは2ウェイ契約に限定されてしまう。それでも、再びNBAの公式戦で『アンダーハンド・フリースロー』が見られるかどうか、注目したい。