若手有望株の多いマジックで良きメンターに
マジックはニコラ・ブーチェビッチ、アーロン・ゴードン、エバン・フォーニエといった主力選手を放出し、若手中心のチーム作りへ完全にシフトした。
再建を託された同じ2017年ドラフト組、6位のジョナサン・アイザックが前十字靭帯断裂で全休し、ドラフト1位のマーケル・フルツも開幕直後に前十字靭帯断裂で離脱したことが影響し、昨シーズンのマジックは21勝51敗と大きく低迷した。それでも、今年のドラフト5位でジェイレン・サッグスを獲得し、ブルズとのトレードで獲得したウェンデル・カーターJr.がいるなど、マジックには将来有望な若手選手が多く揃っている。
昨シーズンにウィザーズでプレーした、ベテランセンターのロビン・ロペスは、そんなマジックへ加入した。若手の成長を促すため、マジックでは多くのプレータイムを望めないかもしれないが、ロペスはそれを承知でチームに加入した。そして、若手の助けになれるからこそ、マジックに移籍したと『The Athletic』の取材で語った。
「本当にエキサイティングな展開だった。これまでもいくつかのチームでベテランであることを受け入れてきた。ここではその役割を本当に楽しみにしているんだ」
昨シーズンのロペスは得意のフックシュートが高確率で決まり、キャリアハイとなるフィールドゴール成功率63.3%を記録した。先発は9試合のみだったが、貴重なバックアップセンター、ベンチからの得点源となり、ウィザーズのプレーオフ進出に大きく貢献した。ロペスは自身の役割について、野球のピッチャーに例えてこのように説明した。
「今の自分の役割は、野球のリリーフピッチャーのようなものだと思っている。彼らは必ずしも毎晩プレーするわけではないけど、チームが必要としている時に必ずインパクトを与える」
短いプレータイムの中で結果を出すという意味で、ロペスの例えは的を射ている。また、元チームメートのモリッツ・バグナーやカーターJr.との共闘もロペスにとってモチベーションとなっているという。
「デル(カーターJr)とモー(バグナー)とは、同じチームでプレーしたことがある。彼らとまた一緒にプレーするのが本当に楽しみだ。アリーナの照明が点いている時はもちろん、特に練習ではやらなければいけない仕事がたくさんあるんだ」
ロペスの豊富な経験は若手の成長を加速させるはずだ。チーム最年長のロペスにはリリーフピッチャーのような活躍とともに、若手の良きメンターとなることが求められる。