バスケットボール殿堂入りを果たしたクリス・ボッシュ、悔し涙を糧に走り続けたキャリアを語る「涙は終わりではなく始まり」

バスケットボール殿堂入りを果たしたクリス・ボッシュ、悔し涙を糧に走り続けたキャリアを語る「涙は終わりではなく始まり」

2021/09/12 16:00
クリス・ボッシュ

「内に秘めた『偉大な存在になりたい』という種を育てるための水分」

現地9月11日、バスケットボール殿堂入りの式典が行われた。今年の殿堂入りを果たした一人がクリス・ボッシュだ。レブロン・ジェームズと同じ2003年のNBAドラフトで全体4位指名を受けたボッシュは、ラプターズとヒートでプレーした。キャリア7年目でヒートへの移籍を決断。このタイミングでレブロンも加わり、ドウェイン・ウェイドとの『スリーキングス』を結成。翌シーズンからNBA2連覇を果たすことになる。

しかし、殿堂入り式典の壇上に上がったクリス・ボッシュは、インターネット上で拡散されている、本人にとっては決して名誉とは言えない動画をネタにして笑いを誘った。ヒートでの1年目、NBAファイナルでマーベリックスに敗れた時のことだ。ヒート有利と予想されたシリーズだったが、結果はマブスが勝利。敗退が決まった直後、ボッシュはロッカールームへと戻る途中で泣き崩れた。その姿を収めた動画はYouTubeなどで『泣きじゃくるクリス・ボッシュ』と題されて今も見ることができる。

ボッシュが殿堂入り式典でのスピーチでこれに触れたのは、彼のキャリアがそこに集約されていたからだ。

「負けるわけがないと思っていた。敗退が決まって感情が抑えられなくなった。あの瞬間、自分がオールスターだとも、勝者だとも思えなかった。11歳の時、週末の試合で負けて悔し涙を流した時と同じだった。僕はそういう子供だった。バスケットボールにすべてを捧げていたんだ」

そう語ったボッシュは、高校時代、大学時代、そしてプロ選手になってからも努力し続けてきたと主張した。

マブスに不覚を取った翌年にNBA王者となり、2連覇を果たし、まだまだ働きざかりという2014-15シーズン途中に血栓症の診断を受けて、医師から健康上のリスクを覚悟しながらプレーするか、引退するかの二択を迫られた。ボッシュは、「やっと頂点に立てた。まだまだ証明しないといけないことがたくさんあったけど、突然終わりを告げられた」と、当時を振り返った。

「あの日以来、僕がどれだけ涙を流してきたかは言うまでもない。ただ、重大な決定を下すべき瞬間を迎えると、何があってもできる限りの努力をしないといけない、ということに気づかされる。逆境を力に変えないといけない。思い返せば、僕はずっとそうやって学び続けてきた」

「今まで流してきた涙は、物事の終わりではなく始まりなんだと思いたい。涙は自分の歩みを止めるのではなく、もっともっと努力しないといけないと僕に教えてくれた。そう考えると、あれは単なる涙ではなく、自分の内に秘めた『偉大な存在になりたいという種』を育てるための水分だったんだ」

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