ドレイモンド・グリーン

「アメリカを含めて本当に世界中が敵のようだった」

この夏、チームUSAは東京オリンピックで優勝し、大会4連覇を成し遂げた。

思えば、大会前からアメリカ代表の実力を疑問視する意見は少なくなかった。一昔前とは違い、今ではオリンピックに出場するほぼすべの国にNBAでのプレー経験を持つ選手が在籍し、数年がかりでチームケミストリーを作り上げている代表チームが大半を占める。そのためアメリカ代表はスター軍団と言えど、急造チームで勝てるほど甘くはないと言われていた。

大会前のエキシビションゲームで敗れていたアメリカだったが、本大会では予選ラウンドでフランスに敗れたのみで、それ以降は全勝で金メダルを獲得した。リオ五輪に続いてチームUSAの優勝に貢献したドレイモンド・グリーンは、大会中にあるNBAレジェンドの言動に腹を立てていたことを明かしている。

カーメロ・アンソニーの番組にゲスト出演したグリーンは、カーメロと同じ2003年NBAドラフト組のドウェイン・ウェイドとの間に生まれた確執について「実は少し前にウェイドと衝突する出来事があったから、ここでシェアさせてもらうよ」と語り始めた。

グリーンによれば、東京オリンピック開幕後にウェイドがTwitterでフランス代表のルディ・ゴベアにエールを送ったことがきっかけだったという。ジャズのオーナーグループに加わったウェイドからすれば、自分の球団の主力を激励しただけだったのだろうが、グリーンからすれば、チームUSAとして戦った経験を持つウェイドの発言を寛大な気持ちで受け止められなかった。

「ウェイドが君の兄弟のような存在なのは知っているけど、こう言ってやったんだ。『僕たちが優勝したら、アンタも僕の喧嘩相手の一人だ』とね。これには理由がある。僕たちが大会に出場していた時、アメリカを含めて本当に世界中が敵のようだった。そんな時に、ルディ・ゴベアにグッドラックなんていう言葉をかけたんだ。どうにもこうにも気に入らなかったね。その投稿をスクリーンショットして保存していたし、喧嘩をふっかけるつもりだった。ただ、彼へのリスペクトがあるから、大ごとにはしなかったよ」

結果的にアメリカが金メダルを獲得できたから良かったものの、もしフランスとの決勝で敗れていたら、グリーンはウェイドに噛み付いただろう。このエピソードをウェイドと親友のカーメロに話してしまうところも、言いたいことをオブラートに包まず誰に対してでも言うグリーンの性格を表している。