シーホース三河は今オフ、大幅な選手の入れ替わりがあった。特に8シーズンに渡り得点源として活躍してきた金丸晃輔の退団はインパクトが大きい。それでも新たに加わった選手は即戦力ばかり。中でも22歳の西田優大には新たな日本人エースとして大きな期待が寄せられる。大学時代からA代表の強化合宿にコンスタントに招集されてきたのは、持ち味であるシュート力だけでなくオールラウンドな能力が買われてのこと。三河を再び強豪へと引き上げるべく、西田は意欲十分で開幕に向けた準備を進めている。
「金丸さんに持っていないものを自分は持っている」
──三河に移籍して、新しいシーズンの開幕まであと1カ月を切りました。今の調子はどうですか?
良い感じに上がってきています。環境がすごく良くなったので、良い意味で上手く使わせてもらっています。体育館は自由に使えるし、ウエイトも自分の好きなタイミングでできます。スキルコーチもいます。ワークアウトだったりシューティングがすごく充実しています。そういう意味で個の力が伸びていると思います。
これまでは大学でも新潟でも体育館を使える時間が限られていたので、オフの日でも体育館が使えればシューティングしていました。それが今ではいつでも使えるので、オフはしっかり身体を休める時間にあてられるし、身体作りもちゃんとやれています。そこが安定すればシュートも自ずと安定してくると思います。いろいろあってスタートが少し遅れてしまったんですけど、すごく充実してバスケに取り組んで準備ができたオフシーズンだったと思います。
──移籍するクラブとして、三河を選んだ理由を教えてください。
選手が入れ替わるタイミングで、自分にチャンスがあると思いました。それに加えて金丸(晃輔)選手、川村(卓也)選手とアウトサイドの選手がいなくなったので、そこを少しでも埋められればという思いで三河に決めました。金丸さんは高校の先輩ですけど、僕は全然及ばないです。あの人は本当に「すごすぎる」というのが最初に出てくる言葉です。でも金丸さんに持っていないものを自分は持っていると思っていて、そこはハンドリングであり、ディフェンスのところももっとレベルアップできると感じているので、そういった部分を上手く生かしながら穴を埋めていければと思います。
悔しかったオリンピック代表落選「でもこれで終わりじゃない」
──三河は伝統のあるチームですが、Bリーグになってからタイトル獲得がありません。今オフも選手の約半数が入れ替わって新しいチームになります。伝統ある強豪なのか、フレッシュなチームなのか、入ってみて雰囲気をどう感じていますか?
本当に昔からすごく強くて伝統のあるチームで、選手個々もしっかりしていて自分のことを黙々とやっていくイメージを持っていたんですが、全然そういう感じではなくて(笑)。ベテランの柏木(真介)さんとか怖そうだなと思っていたんですけど、新潟のチームメートから「すごく良い人だよ」と聞いていて。根來(新之助)さんも良い人で、みんな気さくに声を掛けてくれます。そういう意味ではちょっとイメージが違ったというか、距離が近くて馴染みやすい、やりやすいですね。
──他に三河のイメージはどんなものがありましたか?
対戦した時のことですね。新潟じゃなく名古屋ダイヤモンドドルフィンズにいた時なんですけど、三河に同級生の岡田(侑大)がいた頃だったので、岡田とやるのってめっちゃ楽しいんですよ。それをやれたので楽しかった、良い思い出というのがありますね。
──エースの金丸選手が抜けたチームで、自分がエースとしてチームを引っ張るつもりはありますか?
チームが若返って自分も最年少なので、エースというよりは積極的なプレーをしてチームに勢いを与える存在になりたいです。
──日本代表候補に選ばれていましたが、途中で外れました。東京オリンピックはどんな気持ちで見ていましたか?
今までも代表に選んでもらってきたんですけど、学生という枠を外れて初めてちゃんと候補に入って、皆さんと同じ立場で競争して残れなかったことは、今まで以上に悔しい気持ちが大きかったです。でもこれで終わりじゃないですし、次また選んでもらえるか分からないですけど、悔しかった思いはちゃんと持っておいて、そこから貪欲にやっていければと思っています。
三河のファンのイメージは「長く愛してくれる」
──その悔しい思いをモチベーションにして新シーズンに臨みますが、チームの準備は今どんな感じですか?
外国籍選手も全員揃ったので5対5もやってます、その中で自分がどういうシチュエーションでシュートを打つのかも少しずつ分かってきています。ダバンテ(ガードナー)だったりカイル(コリンズワース)だったりパスが上手な選手が多いので、今はシューティング、スポットアップ、ムービングの中でシュート打つことに力を入れてやっています。
──個人の目標としては?
スタッツだけを見ると昨シーズンは3ポイントシュートの確率が全然良くなかったので、そこを少しでも伸ばせればいいと思っています。新人王の資格というか、取るチャンスがまだあるので、そこを狙っていきたいです。
鈴木貴美一ヘッドコーチと話した時には、やって良いことと悪いことはありますが、自由にやることも結構大事にしているチームだと感じたので、僕もノビノビとプレーして、自分の良いところをどんどん出せれば良いと思っています。
僕の役割としてはシュートを打つべきところで打たないのはダメなので、そういうプレーはなくしていきたいです。フレッシュになったことでディフェンスの強度を上げて走るバスケができればいいと思っているので、そういうところに力を注いでやっていきます。細谷(将司)さんだったり自分だったりディフェンスでアグレッシブな選手が増えたので、コーチの期待に応えられるようなプレーができたら良いなと思っています。
──愛知県での生活はどうですか?
新潟より暮らしやすいですね。新潟は冬の一番大変な時期に行ってしまったので大変でしたが、こちらは過ごしやすいです。食べ物も美味しいですね。コロナであまり多くは行けないですけど、最初から先輩たちに誘われて美味しいものを食べています。バスケ以外でも結構充実していますね。
──三河のファンにはどんなイメージを持っていますか?
「長く愛してくれる」というか、チームを離れてしまってもすごく応援してくれるファンが多いと聞いたので、早く名前を覚えてもらって、『おでんくん』という親しみやすいあだ名もあるので、そういう部分で距離が近く、親しんでもらいたいです。
──ファンの方々にメッセージをお願いします。
新潟から移籍してきました西田優大です。得意な3ポイントシュートをみんなに注目して見てほしいです。それにプラスして今年は本当にチームが若返ったので、ディフェンスだったりそういうところでアグレッシブにプレーできればいいかなと思ってます、自分もエネルギーを出してチームに勢いを与えられればいいなと思っているので、応援よろしくお願いします。
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