ユドニス・ハズレム

ヒート一筋19年目を迎えるメンター

41歳のユドニス・ハスレムは1年260万ドル(約2億8000万円)の再契約に合意し、ヒートで19年目のシーズンを迎えることになった。

昨シーズンの出場はわずか1試合のみと、決してコート上の戦力としてはみなされていない。それでも、ジミー・バトラーが一目を置くように、メンターとして他の選手に好影響を与えている彼にヒートが再契約を提示したのは当然の流れだった。

ハズレムが多大な影響力の持ち主だということは、チームメートにとって周知の事実だ。ヒートのレジェンド、ドウェイン・ウェイドも、同期入団のハズレムを一番好きなチームメートにかつて挙げていた。

「みんなはレブロン(ジェームズ)と言ってほしいと思っているけど、僕が好きなチームメートはみんなが知っているような名前じゃないよ。僕らは一緒にNBAに入り、クラブにいる時も、マイアミのどこかにいる時も、コートにいる時も、UD(ハズレム)は僕を支えてくれたんだ」

また、ウェイドとレブロン、クリス・ボッシュの『スリーキングス』時代の2012年、希望するサラリーにマッチせず、退団を決意したハズレムを引き留めるために3人は100万ドル(約1億円)の減給を受け入れた。ウェイドの願いだったから実現したという見方もあるが、ハズレムに魅力があったからこそレブロンもボッシュも了解したのだろう。

盟友であるウェイドがハズレムを称賛し、チームメートが一肌脱ぐのは理解できる。だが、チームメート以外にもハズレムの影響力は知れ渡っているようだ。『BarstoolSports』のポッドキャストに出演したネッツのブレイク・グリフィンは、番組内でNBA選手のカードパックを開ける作業を行い、ハズレムのカードが出た際にこのように語った。「彼は誰からもリスペクトされている。NBAの仲間の中で最も支持されている選手さ」

他の選手のメンターやロールモデルとなるようなコート内外でのリーダーシップ、利他的なプレー、チームへのコミットメントと献身を体現した選手が対象となり、リーグで最も優れたチームメートと認められた選手に贈られる『トワイマン・ストークス・チームメート賞』の昨シーズンの選考で、3位の投票数を得たことも、ハズレムの持つ影響力を証明している。

ヒートはカイル・ラウリー、PJ・タッカー、マーキーフ・モリスを獲得し優勝を狙える戦力を揃えたが、彼らのパフォーマンスを最大限に引き出すために、ハズレムの力が必要となる。