デニス・ロッドマン

現代NBAを代表するスタイルは「バスケットボールじゃない」

現役時代にブルズのスリーピート(1996から1998年の3連覇)に貢献し、引退後にはバスケットボール殿堂入りも果たしたデニス・ロッドマンは、現役選手としてプレーしていた時代と、現代のNBAのスタイルの違いを理解している。

ロッドマンの時代には許されていたハンドチェック(ディフェンダーがマッチアップする相手の手や腕に接触する行為)が禁止されたことで厳しいディフェンスができなくなり、現代のNBAではオフェンス側が有利になっている。また、ハンドチェックが許されていた時代には当たり前だった、フィジカルで削り合う駆け引きもなくなった。

ロッドマンはポッドキャスト番組『Full Send』に出演した際に、現代のNBAの試合を「ほとんど見ていない」と答えた。その理由は、現代NBAを代表するスタイルにあった。

「今の試合を見るのは何とも言えない。僕たちの時代はインテンシティも高くて、選手間の競い合いもすごかった。でも、今ではゴールから50フィート(約15m)も離れたところからシュートを打っている。それは、自分からしたらバスケットボールじゃない。今の子供たちは好きみたいだけどね」

ロッドマン世代の中には、アウトサイドシュート主流の今のスタイルを好ましくないと思っている元選手も少なくない。流行のスタイルは時代とともに変わっていくもので、どのチームも優勝するために必要な戦術を採用しているため、『良い悪い』というものでもない。

ただ、相手とガツガツやり合ったロッドマンからしたら、少し物足りなく感じる、ということだろう。以前のように彼の日常にNBA観戦が戻る時代は、果たしてやって来るのだろうか。