車いすバスケットボール

パラリンピック最終日、車いすバスケの歴史に残る激闘に

東京パラリンピックは今日が大会最終日。男子の車いすバスケットボールでは、前回王者のアメリカと日本が決勝で対戦した。

立ち上がりは完全な日本代表のペース。前から強力なプレッシャーを掛けつつ、裏のスペースもチームディフェンスできっちりケアすることで相手にチャンスを与えない。開始3分を無失点でしのぐも、激しく当たる分だけチームファウルが早々に4つに。ここから勢いに乗ろうとするアメリカに対し、藤本怜央の連続得点、香西宏昭も3本連続でシュートを決めて優位を保った。

しかし、第1クォーターの最後8秒間でバスケット・カウントに3ポイントシュートとアメリカにビッグプレーを連発されて18-18で第1クォーターを終えると、第2クォーター最初のプレーで逆転を許し、ここから我慢の展開に。ディフェンスを振り切ったかに見えても長い腕が伸びてシュートを止められ、序盤から一転して得点が伸び悩む。ただ、それでも集中を切らすことなくアメリカのオフェンスを一つずつ止めてダメージを最小限に抑え、秋田啓がブロックをかいくぐりゴール下を決め、藤本から赤石竜我のファストブレイクで反撃。精神的なタフさを見せてディフェンスで崩れることなく、27-32と5点ビハインドで前半を終えた。

後半に入ってアメリカのミドルレンジのシュートが好調で押されるが、ベンチから出た藤沢潔の連続得点を皮切りに、鳥海のスピードを生かした合わせ、エース香西の的確なミドルレンジのシュートで追い付くと、粘り強いディフェンスからファストブレイクに持ち込んで鳥海のフィニッシュで逆転に成功する。ここから点の取り合いになる中で秋田のバスケット・カウントで抜け出した日本が、46-45と1点リードで第3クォーターを終えた。

点を取り合う中で日本がリードを保ち続けるが、残り7分で藤本がファウルトラブルでベンチに下がることに。ただ、ここで古沢拓也がこの試合で最初の得点を決め、アメリカのオフェンスを2度止めた末に、古沢のシュートが外れたリバウンドを奪った鳥海が相手に密集されながらもゴール下をねじ込み、56-51と突き放した。

しかしアメリカも簡単な相手ではない。タイムアウトで立て直すと、日本のターンオーバーを誘っては速い攻めに持ち込んで8-0のランで引っくり返す。鳥海のオフェンスリバウンドで得たチャンスを香西が決めることで、このランを何とか断ち切った。

残り48秒を切って58-61と3点差。タイムアウトを取って古沢が3ポイントシュートを放つも決まらず。ここからファウルゲームに行くも功を奏さず、最終スコア60-64で敗れた。日本代表は金こそ逃したものの、初のメダル獲得を果たした。