最後までトランジションが機能し、速攻での得点は20点オーバー
車いすバスケ男子日本代表がメダル獲得を懸けて、イギリスとの準決勝に挑んだ。
日本の先発は豊島英、鳥海連志、藤本怜央、秋田啓、川原凜の5人。日本はリー・マニングにいきなり3点プレーとなるバスケット・カウントを許したが、すぐさま藤本が3ポイントシュートをお返しする。だが、高さとスピードを兼ね備えるハイポインターのマニングを止められず、彼にマークが偏った際には他の選手に確実にミドルシュートを決められてしまい先行された。岩井孝義と宮島徹也を投入しディフェンスを立て直そうとするが、シュート力で上回るイギリスのミドルシュートがなかなか落ちない。それでも、トランジションに活路を見いだし、8点差で第1クォーターを終えた。
第2クォーターに入り、日本は香西宏昭と藤澤潔、赤石竜我を投入。香西が3ポイントシュートを決めて期待に応えると、オールコートプレスでプレッシャーを仕掛けてリズムを速める。トランジションが決まるなど日本のペースになりつつあったが、プレーイングマネジャーのギャズ・チャウドリーに3ポイントシュートを決め返されてしまい、主導権を握るには至らなかった。それでも、日本はマニングとチャウドリーに人数をかけ、素早いローテーションで数的不利を覆すディフェンスが機能し始めると、香西の2本目の3ポイントシュート、鳥海のバスケット・カウント、そして古澤拓也が交代直後に3ポイントシュートを沈めて、33-36と1ポゼッション差に詰め寄って前半を終えた。
後半出だし、トランジションから古澤が2本連続で速攻を決めてついに日本が逆転。そしてここから一進一退の攻防が長く続いた。第3クォーター終了時点で速攻の得点で14-2と大きく上回ったように、日本はトランジションが大いに機能。さらにローポインターの川原がタフショットを沈めたことで52-48とリードして最終クォーターを迎えた。
香西とチャウドリーが互いに高確率で点を取り合い互角の展開が続いたが、日本は鳥海も速攻から得点を重ね2、3ポゼッション差のリードを保つ。そして、残り3分30秒、香西の速攻でこの日最大となる9点のリードを奪った。その後、勝利への執念を見せるイギリスの反撃を受けるが、その都度速攻で突き放し、最終スコア79-68で勝利した。
これで日本は史上初のメダル獲得が決定するとともに、銀メダル以上が確定。9月5日の決勝で前回王者のアメリカと戦う。