ディアンドレ・ジョーダン

アービングとデュラントとともに2019年夏に加入するも……

2019年の夏、ネッツはカイリー・アービングとケビン・デュラントの獲得に成功した。デュラントはアキレス腱断裂のケガを抱えた状況ではあったが、この瞬間に一気に東カンファレンスで最も注目を集めるチームへと躍り出た。時を同じくして、ディアンドレ・ジョーダンもネッツとの契約を結んでいる。

フリーエージェントとなった彼は多くのオファーがある中から「ネッツは特別なチームになろうとしている。それを一緒に築こうと思った」という理由でネッツを選んだ。

当時、ネッツの成功のカギはアービングとデュラントよりもむしろジョーダンがいかに活躍できるかにかかっているとも言われた。しかし、物事は彼の思うように進まない。2019-20シーズンにはNBAキャリア3年目のジャレット・アレンがセンターの先発を務め、ジョーダンは控えに回った。

デュラントが復帰して、さらには開幕早々にジェームズ・ハーデンを迎えた昨シーズン、アレンがハーデンのトレードの一部として放出されたこともあり、ジョーダンの出場機会は増えたが、そこでもパフォーマンスは戻らなかった。

2019年の時点で結んだ4年4000万ドル(約43億円)の契約はあと2年残っているが、彼のネッツでの挑戦は終わりを迎えつつあるようだ。インサイドにはブレイク・グリフィンとニコラス・クラクストンに加えてルーキーのデイロン・シャープがいる。今オフに33歳となったジョーダンにかつてのようなアスリート能力が戻ることは期待できず、アレンがそうだったように若手にプレータイムを与えたほうが良いとネッツは考え、すでにジョーダンを戦力として見なしていないと『The Athletic』は報じている。

残り2年で1800万ドルの契約を抱えるジョーダンのトレードをまとめるのは簡単ではないが、ジョーダンの分のサラリーキャップを空けることができれば、優勝を狙う上で決定打となるような補強ができるかもしれない。今のトレンドに合わせれば、優勝を求めるベテランをジョーダンよりはるかに安い年俸で獲得するのは難しくない。ジョーダンも、その環境でキャリア晩年を過ごすことを良しとはしないだろう。老いたとはいえNBAでやれる力はまだ残っている。トレードで、あるいはバイアウトで自分を評価する新天地を求めるのは悪くない。