ジャレッド・アレン

ハーデンとの大型トレードに巻き込まれる形でキャブズに加入

昨シーズン、ジェームズ・ハーデンが絡んだ大型トレードにより、ジャレット・アレンはネッツからキャバリアーズに加入した。機動力のあるリムプロテクターとして評価の高かったアレンは、キャブズで51試合に出場し、平均13.2得点、9.9リバウンド、1.4ブロックを記録。キャブズは、そんな期待通りの活躍を見せたアレンと5年1億ドル(約110億円)の大型契約を結んだ。

アレンが所属していたネッツはハーデン、ケビン・デュラント、カイリー・アービングの『ビッグ3』を形成し、優勝候補筆頭となったが、『GAME7』までもつれるバックスとの死闘を落とし、カンファレンスファイナルで敗退した。

ネッツはヤニス・アデトクンボのパフォーマンスに手を焼いただけに、敏捷性のあるビッグマンのアレンが残留していれば、同じ結果にはならなかったという意見もある。アレンも「僕が一番のピースになったとは言わないけど」と前置きした上で、「ファイナル進出に貢献できたと思う」と正直な思いを語った。

「あのメンバーと一緒にプレーしていたら、彼らの助けになれたと思う。ファイナルに進出し、優勝してトロフィーを頭上に掲げるための手助けができたのではないかと思う。正直に言うと、そういう考えが何度か頭をよぎったんだ」

バックスとのシリーズでスコアリングマシーンと化したデュラントだったが、アデトクンボをディフェンスするシーンもあるなど、攻守に多くの負担を強いられていた。もし、アレンがいればデュラントの負担は軽減され、さらにインサイドの厚みも増していただけに、アレンが自身を優勝の1ピースとなれたと主張するのも分からなくはない。

ただ、アレンの移籍はハーデンとの契約を成立させるために必要なものであり、それによってネッツはスーパーチームを作り上げたため、その話が『たられば』の域を超えることはない。

キャブズはレブロン・ジェームズとアービングが去り、ここ3シーズン連続で勝率3割以下と再建期を迎えている。それでも、2018年のドラフト1巡目8位指名のコリン・セクストン、2019年の1巡目5位指名のダリアス・ガーランド、2020年の1巡目5位指名のアイザック・オコロと、有望な若手選手を多く擁している。今年のドラフト全体3位でビッグマンのエバン・モブリーも獲得し、アレンも23歳と若いため、彼らとともに成長し、ネッツをも超えるチームを作ってほしい。