エリック・ブレッドソー

エリック・ブレッドソー、パトリック・べバリー、ラジョン・ロンドを含むトレード

カワイ・レナードとの再契約に成功したクリッパーズが、次の一手を打った。

『ESPN』によれば、クリッパーズはグリズリーズとトレードを成立させる見込みで、エリック・ブレッドソーを獲得する見返りとして、パトリック・べバリー、ラジョン・ロンド、ダニエル・オトゥールを放出する予定だという。

クリッパーズは、オフェンス面でブレッドソーに期待しているのだろう。昨年のオフにバックスからペリカンズにトレードされたブレッドソーは、昨シーズン71試合(先発70試合)に出場して平均12.2得点、3.4リバウンド、3.8アシストを記録した。べバリーはディフェンスでの貢献が目立ち、ロンドはリーグトップクラスの司令塔として知られているが、両選手ともに得点での貢献度は大きかったとは言えない。右膝前十字靭帯部分断裂の修復手術を受けたレナードの復帰時期が定かではないため、クリッパーズはポール・ジョージに次ぐ得点源としてブレッドソーの獲得を決めた。

『ESPN』によれば、グリズリーズはクリッパーズから獲得予定の3選手の今後に関してはオープンというスタンスのようで、新たにトレードを検討している可能性が高い。

グリズリーズは、ジャ・モラントを主軸とするチームに生まれ変わった。モラント以外にも、ジャレン・ジャクソンJr.、1年目の昨シーズンからローテーションに定着したデズモンド・ベインとゼイビアー・ティルマンSr.、ベテランのカイル・アンダーソンなどを擁し、昨シーズンはプレーイン・トーナメントを勝ち上がってプレーオフ進出を決め、着実に力をつけている。さらにオフには、ペリカンズからビッグマンのスティーブン・アダムズを獲得するなど、数年以内に再び西の強豪に返り咲ける地盤は整いつつある。

彼らに足りないのは、昨シーズン大躍進しNBAファイナルに勝ち進んだサンズにとってのクリス・ポールのように、精神的な支柱になれる実力者だ。その点で言えば、今シーズン1800万ドル(約19億円)超えのブレッドソーを放出し、1400万ドル(約15億円)超えのべバリー、800万ドル(約9億円)超えのロンドを整理できれば、来年のサラリーキャップにおよそ6000万ドル(約65億円)の空きが生まれるため、複数名の大物フリーエージェントとの契約も可能になる。

両チームの思惑が合致するトレードが成立するかどうか、推移を見守りたい。