ランス・スティーブンソン

写真=Getty Images

『諸刃の剣』と言われる個性の持ち主

このオフにペイサーズからフリーエージェントとなり、レイカーズに移籍したランス・スティーブンソンが、移籍を決めた舞台裏を明かした。

8月29日にインディアナポリスでファンに別れを告げるイベントを開催したスティーブンソンは、キャリア8年でもっとも長く在籍したペイサーズのファンと交流を楽しんだ。一部報道では、今夏レイカーズと4年1億5400万ドル(約170億円)で契約したレブロン・ジェームズが、これまでの対戦で激しくやり合ったスティーブンソンに直接ラブコールを送ったと言われているが、本人によれば、事実は若干異なるという。

スティーブンソンは『Indy Star』に、「マジック(ジョンソン)から電話があって、レブロンが自分との共闘にすごく関心を持っていると言われた」と語った。「マジックには、『数時間考える時間をもらいたい』と伝えて、契約することを決めた。たくさん勝って、楽しみたいね」

レブロンとの連携が上手くいくかどうかを疑問視したり、レイカーズにとって『諸刃の剣』となるのではないかとの意見もあるが、スティーブンソンは、新天地で自分に求められている役割を理解していると話す。

ポイントガードを務められる万能性、広いシュートレンジ、変則ドリブルなどマルチな才能を持つスティーブンソンだが、2014年の東カンファレンス・ファイナルで見られたレブロンへの『息吹きかけ事件』をはじめ、プレーが中断している際に相手チームの輪の中に入って集中を乱すなど、『癖が強い』選手というイメージが定着している。しかし、マッチアップする相手を苛立たせる執拗なディフェンスも彼の持ち味の一つで、敵としては厄介でしかないものの、味方につければこれほど心強い選手もそうはいない。スティーブンソンは、これまでレブロンに対して実行してきたようなプレーを、新チームでやるようになると考えている。

「きっとレブロンは、僕が相手チームに何かを仕掛けることを期待しているだろうね。彼と一緒にやって、試合に勝ちたい。楽しみなシーズンだよ」

レブロンのリーダーシップ、ブランドン・イングラム、ロンゾ・ボール、カイル・クーズマ、ジョシュ・ハートら若手コアの成長に加えて、スティーブンソンら『個性派』の融合により、どういうチームになるのか。そして、王者ウォリアーズら西カンファレンスの強豪と互角に渡り合えるのか。新シーズン開幕が待ち遠しい。