「塁は現代NBAの4番タイプで、多くのポテンシャルを秘めている」
このオフに成立した超大型トレードにより、キャリア5年目のカイル・クーズマがレイカーズからウィザーズに移籍した。
オールスター、シーズンMVP受賞者のラッセル・ウェストブルックがレイカーズにトレードされ、その交換要員としてモントレズ・ハレル、ケンテイビアス・コールドウェル・ポープとともにクーズマは新天地でプレーすることとなった。
ウィザーズの入団会見で、肉体のバルクアップ、そしてボールハンドリングの強化に時間を割いていると語ったクーズマは、ブラッドリー・ビールや八村塁とのプレーを楽しみにしている。
「昨シーズン、レイカーズでパサーとしても優れているところを示せたと思う。優れた選手が揃っているチームに来たことで、得点だけでなくて、チームメートにオープンなショットを打たせることもできる。僕なら塁をオープンにできるし、ブラッドの仕事も楽にさせられる」
ウィザーズでは、八村、ダービス・ベルターンス、デニ・アブディヤなどポジションが重なる選手も少なくない。しかしクーズマは「バスケットボールを理解していれば問題ない」と意に介していない。
「ウチの強みは選手層の厚さ。ブラッドはスーパースタータイプの選手で、スペンサー(ディンウィディ)はポイントガードとして非常に優れている。トレードが決まってから、彼のプレーを見ている。塁は現代NBAの4番タイプで、多くのポテンシャルを秘めている。彼ならこのリーグで素晴らしい選手になれるよ」
「このリーグはポジションレスの時代に移行している。バスケを理解していて、ハイレベルなディフェンスができる選手が揃っていれば、仕事ができる。ウチには優れた選手が揃っている。チームの勝利のために、いつだって何かを犠牲する。そういうことだよ」
レイカーズでは、レブロン・ジェームズという強力なリーダーシップを発揮する選手とプレーし、優勝も経験した。5年目ともなれば中堅の域で、若手と経験豊富な選手が共存するウィザーズでは、今まで以上にチームを引っ張る役割が期待されている。
クーズマが考えるリーダー像は「言葉で伝えるだけではなくて、行動で示すタイプ」だと言う。「話して伝えるだけではダメ。行動でも引っ張らないと、尊敬してもらえない。誰よりも先に練習場に来て、フィルムセッションでも周りから信頼されないといけない。レイカーズ時代は、リーダーは一人ではなかった。チームの17人全員がリーダーで、そういう自覚を持ってやっていると、チームの輪や信頼も生まれる。連帯感が生まれるんだ」
クーズマ効果によりウィザーズがどういうチームに変わっていくのか、2021-22シーズンが楽しみだ。