ベン・シモンズ

ロンドのアドバイスで課題を克服できるか?

セブンティシクサーズはカンファレンスセミファイナルでホークスに敗れて昨シーズンを終えて以降、ベン・シモンズのトレードを模索している。

ティンバーウルブズやウォリアーズ、トレイルブレイザーズやラプターズなどが、シモンズを獲得するべく積極的に動いていると報じられてきたが、オールスター級の選手を要求するシクサーズと折り合いがつかず、シモンズのトレードは難航を極めている。

シモンズはプレーメーク力に長けた大型ポイントガード。昨シーズンの最優秀守備選手賞の最終候補にもノミネートされ、当然のようにオールディフェンシブファーストチームに選ばれたディフェンスのスペシャリストでもある。しかし、シュート力に問題を抱え、ホークスとのシリーズでは平均9.9得点に留まり、運命の『GAME7』でも5得点と不発に終わった。また、ハック戦術のターゲットともなり、プレーオフのフリースロー成功率はわずか34%。戦犯扱いされても仕方がないパフォーマンスで、シクサーズがトレード話を進めるのは必然だった。

もちろん、シュート力が劇的に向上する特効薬は存在しない。シュートフォームの変更など、細かい作業と反復練習が必要となる。だが、シモンズが苦手な3ポイントシュートを克服できれば、シクサーズは無理にトレード話を進める必要はないだろう。そして、シモンズはラジョン・ロンドとともに3ポイントシュートの練習に取り組んでいる。

ロンドは高いバスケIQとアシスト能力を兼備するポイントガードだが、キャリア前半の3ポイントシュート成功率が30%を下回るなど、シュート力が課題だった。それでも、クリッパーズに在籍した昨シーズンはキャリアハイとなる43.2%を記録するなど、近年は30%後半の成功率を記録しシュート力を向上させた。

シュート力に課題があるが、それを補って余りある強みを有する点で2人は似ている。動画では快適に3ポイントシュートを打つ姿が見られるが、ロンドのように課題を克服した選手からのアドバイスであれば、シモンズも素直に聞き入れるはずだ。

昨シーズンのシモンズはレギュラーシーズンを通じて10本、ポストシーズンの12試合で1本しか3ポイントシュートを打っておらず、成功率よりも打たない姿勢が問題視された。ロンドとの特訓によって、シュート力、シュートを打つメンタルが改善されれば、シモンズの突破力はより生きてくる。

シモンズはオーストラリア代表を辞退してまで、自身のスキルアップを優先した。この特訓である程度の成果が見られれば、トレードの難航がシクサーズにプラスに働く可能性はある。