デニス・シュルーダー

来年オフに大型契約を獲得すべく、勝負の1年に

デニス・シュルーダーは、レイカーズからの4年8400万ドル(約92億円)の契約延長オファーを断ってフリーエージェントとなった。レギュラーシーズンに平均15.4得点、5.8アシストを記録した彼は、1億ドルを超える契約を望んでいたと言われるが、それ以上にレブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスに続くサードオプションとしてプレーすることを良しとせず、より重要な役割を与えられるチームでプレーすることを望んでいたとも言われる。

シーズンを終えるにあたり、シュルーダーはこうコメントしていた。「レイカーズには感謝しかない。素晴らしい環境が整っているし、難しいシーズンの中でも気持ち良くプレーさせてもらった。ロブ(ペリンカGM)からは困ったらいつでも連絡するようにと言われている。レイカーズの経験を次に生かしたい」

フリーエージェント市場に大物ポイントガードが不在の今オフ、シュルーダー争奪戦が起きてもおかしくはなかった。しかし、レイカーズを勝たせられなかったポイントガードが超大型契約を望んでいては、新型コロナウイルスの影響で経営的な見通しが不透明なクラブにとっては手が出しづらい。有力な移籍先と見られたニックスはケンバ・ウォーカーを、ブルズはロンゾ・ボールを獲得してシュルーダーから早々に撤退。結果、フリーエージェントとの契約開始から1週間が経過しても、シュルーダーの名前は挙がってこなかった。

そんな中、シュルーダーはセルティックスとの契約に合意した。「NBAでも最高の球団の一つで、緑と白のユニフォームを着てプレーできるのは名誉なことだ。すべての試合で全力を尽くす」とのコメントを発表している。

もっとも、『ESPN』によれば今回の契約は単年590万ドルと格安で、フリーエージェント市場に打って出るという彼の選択は完全に裏目に出ることになった。希望する大型契約を得られなかっただけでなく、セルティックスでの立場は約束されておらず、マーカス・スマートの控えに回る可能性もある。

この1年で自らの価値を周囲に認めさせるだけの結果を出し、再びフリーエージェントとなる来年オフに大型契約を勝ち取れるか。彼にとっては勝負のシーズンとなる。一方でセルティックスにとっては、成功に飢えた才能あるポイントガードが思いがけない形で加わる幸運に恵まれた。