ケビン・デュラント

何度も1ポゼッション差に迫られるも逆転を許さない強さ

東京オリンピック男子バスケットボール決勝戦でアメリカとフランスが激突した。

アメリカは3ポイントシュートが全く決まらず、合わせからルディ・ゴベアにフィニッシュされるなど連携面で一日の長があるフランスに先行を許した。それでも、アメリカの0個に対し、フランスから5個のターンオーバーを誘発するなどポゼッション数で上回り、強固なディフェンスで耐えた。

ここまで9本連続で3ポイントシュートを落としていたが、ケビン・デュラントがチーム10本目にして最初の3ポイントシュートを成功させると、続けて3本のフリースローを獲得して逆転。ベンチからジェイソン・テイタムも3ポイントシュートを成功させて22-18とリードして第1クォーターを終えた。

その後もアメリカのペースで試合が進み、残り5分にはデュラントが3ポイントシュートを沈めて、リードを2桁に乗せる。しかし、ゴベアのインサイドを強調し始めたフランスの反撃を受けた。ミスマッチを作られてはゴベアに押し込まれ、さらにファウルもかさみ前半だけで19本のフリースローを与えてしまう。ディフェンスでリズムを作れずオフェンスも停滞し、39-44と迫られて前半を終えた。

ガ-ション・ヤブセレにいきなり3ポイントシュートを許し2点差に迫られたアメリカだったが、個人能力の高さを見せつけ逆転を許さない。スクリーンからのプルアップ3ポイントシュート、純粋なポストプレーで簡単にネットを揺らすとテイタム、ザック・ラビーンの2連続速攻で、再び点差を2桁に乗せた。

それでも集中力を切らさないフランスは、ノーマークの3ポイントシュートを確実に沈め、さらにニコラス・バトゥムのブザービーターが決まり、1桁ビハインドで最終クォーターを迎える。さらに、残り5分40秒にはフランク・ニリキナが3ポイントシュートを沈めて3点差まで迫った。

だが、ここで崩れない強さを見せたのがアメリカだった。1ポゼッション差に迫られても慌てず、コンスタントに得点を重ねてリードを保ち続ける。残り10秒、ナンド・デ・コロにフリースローを決められ、3点差に迫られたが、デュラントがファウルゲームで得たフリースローをしっかりと沈め、最終スコア87-82で接戦をモノにした。

アメリカはデュラントがゲームハイの29得点を記録し、テイタムが19得点と続いた。フランスはフォーニエとゴベアがそれぞれ16得点を記録したが、ゴベアはフリースローを13本中6本しか決められなかったのが痛かった。連携面に不安を残し、選手のコンディション不足も指摘されたが、アメリカが4連覇を成し遂げた。