パウ・ガソル

弟のマルクも世代交代を語る「若い選手が活躍しないといけない」

2006年のワールドカップで優勝し、2008年の北京オリンピックと2012年のロンドンオリンピックで銀メダル獲得、リオ大会では銅メダルを獲得し、2019年のワールドカップで王者に輝いたスペイン代表。

そのスペイン代表が金メダル獲得を目指して挑んだ東京オリンピックは、準々決勝敗退で幕を閉じた。準々決勝ではオリンピック4連覇を目指すアメリカ代表と対戦し、拮抗した戦いを見せたものの82-95で敗れ、4大会ぶりにメダルを逃した。

スペイン代表の黄金世代の中心にいたパウ・ガソルは、今回の東京大会が自身5度目のオリンピックとなった。現在41歳のガソルは、以前から「5回目のオリンピックを最後にしたいという気持ちはある」と引退時期について触れ、「完璧な引退の形があるかどうかは分からない。オリンピックでメダル、特に金メダルを獲得できて終われたら最高だろうね」と語っていた。

そのガソルにとって最後の代表試合となったアメリカ戦は、6分17秒のプレータイムで得点なしの3リバウンドというスタッツに留まり、チームもメダルを獲得することなく大会を終えた。

それでもガソルは「心を込めてやれば、どんなことでも乗り越えていける。僕が戻ってきてプレーして、試合をすることができたという事実だけで大成功だよ」と語った。「これが代表チームでの最後の試合だった。今後のことは家族と話し合う。プロレベルでプレーを続ける価値があるのか、それとも人生の他の目標に進むのか。それを見極めないといけないね」

弟のマルク・ガソルもアメリカ戦後に「若い選手が活躍しないといけない。そして、彼らが活躍するためには、年長者が邪魔にならないようにしないといけないね」と代表チームから退くことを明かした。

ガソル兄弟と同様に、スペインの指揮官セルジオ・スカリオロも、黄金世代が残した功績に感謝しつつ「若い選手が学んでくれていることを願う」と、これからのスペイン代表を担う若者たちについてコメントした。「スキルや才能を身につけるためには努力が必要だ。そのためには、何時間も練習してコートで多くの時間を過ごさなければいけない。それは大変なことだけど、競争の仕方や良いチームメートになる方法を学ぶことができる。これはスペインのバスケットボール界だけでなく、バスケットボール界全体とスポーツ界の伝説となる部分だと思う。もうコートに戻ってこない仲間がいるのは寂しいけど、この繋がりは永遠に続くものだ」

また、アメリカ代表を率いるグレッグ・ポポビッチも「スペインは素晴らしいチームだ。世界で最も優れたヘッドコーチの一人であるセルジオ・スカリオロの指導を受けた彼らのプレーには目を見張るものがあり、とても感銘を受けた」とスペイン代表について語った。

そして、アメリカとともに世界のトップレベルを渡り歩いたライバル国を、こう称えた。「私たちはこの試合で勝つ方法を見つけることができたから、満足している。しかし、私はスペインが何をしているのか、そして彼らが何年もの間行ってきた多大な功績を称えなければいけない。彼らは信じられないような組織で、私は彼らには脱帽したよ」