第2クォーター途中で追い付くも、アンスポを機に猛攻を浴びる
男子日本代表が、2年前のワールドカップ王者スペインとオリンピック初戦で激突した。日本の先発は田中大貴、馬場雄大、渡邊雄太、八村塁、ギャビン・エドワーズ。
立ち上がりは丁寧に守るもタフショットを決められ、開始4分で2-11と先行を許す。それでもタイムアウトでディフェンスを立て直し、スペインの3ポイントシュートが決まらなかったこともあり失点を止めると、渡邊雄太の3ポイントシュート、八村のアタックからシェーファー・アヴィ幸樹が押し込むなど反撃に転じる。渡邊は強引なアタックから、自らのシュートのこぼれ球を拾ってバスケット・カウントをもぎ取るなど、積極的な姿勢が光った。最後はチームディフェンスでボールを奪い、渡邊が時間をコントロール。最後は富樫勇樹がブザービーターとなるフローターを決め、14-18と点差を詰めて第1クォーターを終えた。
第2クォーター最初のプレーは、粘り強いディフェンスでショットクロックぎりぎりのシュートを打たせ、オフェンスリバウンドを奪われるも、そこから展開するパスを狙った馬場が鋭い出足のスティールからワンマン速攻に持ち込む十八番のプレーを見せる。残り5分半、富樫と八村の3ポイントシュート攻勢で26-26と追い付いた。この時間帯を引っ張ったのは富樫。サイズは小さくてもディフェンスの穴になることなく、速攻のチャンス以外でも的確にボールを動かして良いリズムを作り出した。
ところが、日本はその良いリズムを自ら崩してしまう。エドワーズが攻めから守りへ切り替える際にマルク・ガソルの身体を押さえてアンスポーツマンライクファウルを取られ、その後に2本連続の3ポイントシュート許して26-34と突き放される。タイムアウトを取るも流れを切れず、リッキー・ルビオの3連続アシスト、さらにミドルジャンパーも連続で決められて26-45と点差を広げられた。日本は八村がパウ・ガソルの上から叩き込むダンクでようやく相手のランを断ち切るも、28-48で前半を終えた。
後半に反撃に転じ、終盤には1桁差に詰め寄る
後半、エドワーズが3本連続でシュートを決めるも、ルビオが起点となるスペインの多彩な攻めを止められない。それでも金丸晃輔が投入されてから2タッチで2本の3ポイントシュートを沈め、続いてファウルを誘ってフリースロー2本成功と、1分半で8得点を挙げてチームに勢いをもたらす。渡邊や馬場がファウルを引き出して得点を繋ぎ、渡邊のスティールからのワンマン速攻も決まり、56-69と13点差まで詰めて最終クォーターを迎えた。
ドライブで切り込んだ富樫のフローターがバスケット・カウントとなり10点差に。ここから点差を詰められなかったが、ルーズボールに渡邊がダイブするなどガッツを見せる。ただ、日本に流れが傾きつつあったタイミグでルビオがコートに戻ると、スペインの攻撃は再び活性化。馬場が速攻を決めて1桁差に詰めるも、日本の勢いをいなすルビオに時間を進められてタイムアップ。77-88で敗れた。
八村塁は20得点、渡邊は19得点を記録。一度もリードを奪えない敗戦となったが、日本としては収穫も多い初戦となった。