ルカ・ドンチッチ

圧巻の48得点11リバウンド5アシスト3ブロックを記録

初日にスター軍団アメリカの敗戦から始まった5人制バスケットボールは大会2日目を迎え、スロベニアが『スーパースターの輝き』でアルゼンチンを大差で下しました。ルカ・ドンチッチは圧巻の48得点11リバウンド5アシストに3ブロックまで付け加え、完全に試合を支配しました。

試合序盤からステップバック3ポイントシュートを3連発したドンチッチは、第1クォーターだけで17点を奪います。試合序盤のラッシュで先手を奪うことに成功しましたが、それ以降の3ポイントシュートは11本打って3本成功と試合を通してみれば43%の成功率となり、アンタッチャブルに決めまくったわけではありません。しかし、いきなりゲームプランを崩されたアルゼンチンは、その後もドンチッチの多彩さに悩まされることになります。

アルゼンチンはドンチッチに対してフィジカルにも戦えるパトリシオ・ガリーノをマッチアップさせ、過度なヘルプをするのではなくマンマークを基本とし、キックアウトパスを封じ込めに行きました。前半のドンチッチにはアシストがほとんどなく、作戦そのものは当たっていました。またアルゼンチンは試合を通して12ものスティールを記録し、スロベニアの連携を封じ込める狙いも機能したと言えます。

しかし、あまりにもドンチッチに3ポイントシュートを決められたことと、マッチアップするガリーノがスクリーンで引きはがされてしまうため、より細身でスピードのあるリアンドロ・ボルマロにマークマンを変更します。ボルマロのチェイスに困りそうだと見たドンチッチは、すかさずポストアップを多用し、フィジカルの強さで押し込むオフェンスへと切り替え、自ら決めるだけでなくゴール下の強さを生かしてオフェンスリバウンドをねじ込んでいきました。このインサイドプレーが効いたスロベニアは、前半で62-32と大量リードを奪います。

ルカ・ドンチッチ

アルゼンチンが講じる様々な対策を次から次へと打ち破る

後半になるとアルゼンチンはガブリエル・デックにマークを変更し、ハイプレッシャーでドンチッチのリズムを乱しに行きました。スクリーナーをかわす動きを見せたデックでしたが、スロベニアは2枚のスクリーナーを用意してデックを剥がし、ドンチッチはドライブを連発し始めます。さらにドライブで相手を引き寄せると、スクリーンからリングにダイブするマイク・トビーへのアリウープパスを通し、アルゼンチンのカバーディフェンスを無効化しました。最終的にアシストも5つまで伸ばしています。

アルゼンチンが講じてくる対策を次から次へと無効化したドンチッチの対応能力はあまりにも見事で、オリンピックのデビュー戦で『これぞ世界のスーパースター』という圧巻のプレーを披露しました。そして、この多彩さをチームとして引き出すスロベニアの戦術と共通意識も素晴らしいものでした。ディフェンスを攻略していったのはドンチッチですが、チームメートも積極的な3ポイントシュートで得点を重ね、118点ものハイスコアで強豪アルゼンチンを一蹴したのです。

強烈な輝きを放つスーパースターと、エースを輝かせたチームメートは、どちらも欠かせない要素です。この2つが見事に噛み合ってチームとしての強さを存分に発揮したスロベニアは、初戦から恐るべきポテンシャルを示しました。