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オフに自主トレをした2人は、NBA選手らしい形で大盤振る舞い

ペイサーズとピストンズはセントラル・ディビジョンで争うライバルだが、ポール・ジョージとレジー・ジャクソンはともに1990年生まれで、今オフには合同トレーニングを行なうほどに仲が良い。

ジョージは、滞在先としてカリフォルニア州南部に良い場所を見つけ、ジャクソンに意見を求めた。ジャクソンにとっては幾分か高級すぎた物件だったようで、借りるのを躊躇したという。そのときの経緯をジャクソンが『Detroit Free Press』に話している。

「彼が『この家にしよう』と言うから、僕は、『俺は嫌だよ。借りないよ』と言ったんだ。そうしたら次の瞬間、思いもしない答えが返って来たんだ」

「いいや、ここにしよう。借りるんじゃない。もう買ったよ」

この一言に驚いたジャクソンが自分の負担額を尋ねると、ジョージは「そんなもの要らない。お前は、俺と一緒にトレーニングをして、一緒に時間をすごせばいいだけだ」と語ったそうだ。

だが、ジョージの気前の良さを受け入れるだけでは同じNBA選手として名が廃るというもの。昨年夏に5年8000万ドル(約80億円)の大型契約を手にしたジャクソンは、合同練習期間中、またはジョージがロサンゼルスに滞在中、プライベートシェフを雇う費用を全額負担した。「アイツは僕の大事な友達だから。何から何まで負担させるわけにはいかないよ」とジャクソンは説明している。

ジョージの気前の良さは今に始まったことではない。リオ五輪終了後に現役を引退すると表明していたWNBAインディアナ・フィーバーに所属するタミカ・キャッチングズにとって最後のレギュラーシーズン戦となる試合チケットを自腹で5000枚購入し、ファンに無料でプレゼントした。

同じインディアナ州に本拠地を構えるチームの選手ということだけではなく、アメリカ代表として五輪で4個の金メダル獲得に貢献したレジェンドにリスペクトの念を示す行為だった。ジョージは、2014年までキャッチングズと同じ背番号24のジャージーを着用していたが、彼女への尊敬の念を込め、足の骨折から復帰した2014-15シーズンから13番に変更したことをInstagram上で明かしている。

リオ五輪では男子アメリカ代表の金メダル獲得に貢献し気前の良さだけでなくプレー面でも一流であることを証明したジョージ。