ジャベール・マギー

NBAで何度優勝しても言われた「あなた、金メダルを取ってないでしょ」

ケガの回復が思わしくなくアメリカ代表を外れたケビン・ラブに代わり、緊急招集されたのは33歳のベテランセンター、ジャベール・マギーだった。ウォリアーズで2度、昨シーズンはレイカーズでと3度のNBA優勝経験を持つ彼は、華やかな技術はないがハードワークに徹し、チームに求められる仕事をきっちりとこなす選手。すでに出来上がったチームUSAに、時間をかけずにフィットして戦力となることが求められる。

彼が所属するナゲッツは6月中旬にシーズンを終えており、実戦からは1カ月以上遠ざかっているが、すぐにチームUSAに合流した。「シーズンが終わって1、2週間は休んだけど、それでもうやることはなくなって、ワークアウトはやっていた」とマギーは言う。「チームが代替選手を必要としていることは知っていたから、連絡をもらった時にすぐ決めた。素晴らしい選手たちと一緒にプレーできるんだから、すべての時間を楽しみたい」

チームにとってこのタイミングでのロスター変更は緊急事態だが、マギーにとってはオリンピック開幕直前に突如としてチャンスが巡ってきたことになる。「僕にとって大きなチャンスだし、マギー家にとってもそうだ」と彼は言う。

彼の母パメラは、1984年のロサンゼルス五輪に女子バスケットボール代表の一員として出場し、金メダル獲得に貢献している。「僕も母と同じように金メダルを獲得できたら、家族にとってはすごいことだ。母も僕が今回オリンピックに参加することを喜んでいる。母からはいつもオリンピックの話を聞かされてきたし、僕がNBAで何度優勝しても『あなた、金メダルを取ってないでしょ』と言われてきた。今回は母に並ぶチャンスなんだ」

NBAキャリア13年のベテランだが、キャリアの前半はさして注目されるものではなかった。それでも2016-17シーズンにウォリアーズで初優勝を経験してから、5シーズンで3度の優勝を飾り、今回はオリンピックに参加する。

「この5年間は素晴らしいものだった。僕を信じてくれた人たちに感謝したい」と語るマギーは、こう続ける。「それと同時に、僕を信じなかった人たちにも。僕は高校時代でさえトッププレーヤーじゃなくて、ずっと疑われてきた。でも、そのおかげで一生懸命にバスケと向き合うことができた。僕は自分自身を信じてきたし、家族とチームは僕を信じてくれた」