ラブはケガで無念の代表辞退「信じられないほど残念だ」
ブラッドリー・ビールが健康安全プロトコルの対象となり、オリンピック開幕を翌週に控えたこの時点で東京行きを断念した。その翌日、ケビン・ラブも代表チームを離れることが決まった。こちらは以前から抱える右ふくらはぎが回復しないことでの辞退だ。
「チームUSAとして東京に行けないことは信じられないほど残念だ。しかし、オリンピックで戦うには最高のパフォーマンスが必要とされるのに、僕はそのレベルに至っていない」とのラブのコメントが発表されている。
ヘッドコーチのグレッグ・ポポビッチは代役となる選手について「今からチームに合流してコンディションを仕上げるのは難しい」と語るとともに、ポジションのくくりで代替選手を選ぶのではなく、「素晴らしいチームメートになってくれる選手、勝利に貢献してくれる選手が必要だ」と語っていた。
そしてチームは代役探しに時間をかけることなく、ケルドン・ジョンソンとジャベール・マギーの合流を発表している。
ケルドン・ジョンソンはスパーズでプレーするNBA2シーズン目のスモールフォワード。代表チームのトレーニング相手となるセレクトチームの一員としてトレーニングキャンプに参加しており、コンディションの問題がない上に、普段からポポビッチの下でプレーしているため、チームにフィットしやすいはず。今シーズンにスパーズの主力へと駆け上がった21歳は、さらなる成長のチャンスを与えられた。
NBAキャリア14年のベテランジャーニーマン、マギーの選出は少々驚きだ。NBAのトッププレーヤーではないし、年齢的に今後の伸びしろも見込めない。それでもラブが離脱し、バム・アデバヨ以外にリムプロテクターを務められる選手がいないロスターのバランスを埋めるには、マギーは悪くない選手だ。チームを転々としながらも、それぞれのチームの文化に馴染み、直近の5シーズンで3度のNBA優勝に貢献している。その経験が今のチームUSAには必要だった。
オフェンスの核の一人だったブラッドリー・ビール、インサイドでオールラウンドな働きが期待されたケビン・ラブと、本番直前になって2人が欠けたことはアメリカ代表にとって決して小さくないダメージだ。デビン・ブッカー、ドリュー・ホリデー、クリス・ミドルトンの3人はNBAファイナル終了後にチームに合流するが、ここまで2勝2敗でGAME7までもつれる可能性も高くなってきた。指揮官ポポビッチには慎重な舵取りが、そして選手それぞれにはさらなる奮起が求められる。