ビンス・カーター

写真=Getty Images

気力体力とも充実の41歳「まだやれることを証明する」

ホークスと契約したビンス・カーターは、NBAキャリア21年目の大ベテランだ。1999年の新人王に輝き、『ダンクマシーン』として一世を風靡したカーターも、来年の1月には42歳になる。当時のようなパフォーマンスが見られることは少なくなったが、彼は今もコート上でチームの勝利に貢献できる戦力として重宝されている。

引退後はテレビの世界で活躍することを希望しているカーターにとっても、本拠地のアトランタに『ターナー・ブロードキャスティング』と『NBA TV』の本社があるホークスへの移籍は好都合だ。しかし、彼にはまだ若い選手に道を譲る気はない。

カーターは『ESPN』にこう語る。「プレーを続けることで、メディアやファンから厳しいことを言われるのは分かっている。『年齢が半分も下の若手とプレーしている』とか、『現役を続けるべきではない』とか言われるだろうけど、僕はまだやれることを証明する。たくさん練習して、心身ともにしっかりと準備をしているんだ」

カーターはマーベリックス時代の2012-13シーズンからリザーブとしての役割を受け入れ、その後グリズリーズ、キングスでもベンチからの得点源として活躍。そして、ここ数シーズンと同様に、若い選手が中心のホークスでもロッカールームのリーダー、メンターとしての役割を担う。それでもカーターは、「昔とは何も変わっていない」と主張する。

「試合へのアプローチは昔と一緒。練習への姿勢や、プレーする能力だって変わっていない。もちろん、今は役割に制限があるし、昔のようなプレーはあまり見せていないけれど、何も変わっていないんだ」

キャリア終盤に優勝候補と契約してリングを勝ち取ろうとするベテランが多い中、カーターはプレータイムにこだわっている。このオフにホークスとの契約を選択した理由も、出場機会を得られるチャンスを提示されたからだ。

カーターは「ただベンチに座っているだけなんて耐えられない」と言う。「それは自分ではないんだ。もう長くリーグでプレーしているけれど、自分の頭には、ベンチから黙って試合を見ているなんていう考えはない」

「プレーすることが大好きなんだ。僕は、40代の身体に青年の心を持った選手」と語ったカーター。確実に引退の時は近づいているが、まだ気力も体力も充実している21年目のシーズンも、プレーで魅せてくれそうだ。