八村塁

八村は試合開始からエンジン全開、最初の4分で9得点とチームの起爆剤に

八村塁と馬場雄大が合流したバスケットボール男子日本代表。東京オリンピック初戦となるスペイン戦を10日後に控え、チーム作りは仕上げの段階に入った。今日はベルギーとの国際強化試合に臨んだ。

2年ぶりの代表復帰となった八村は、その間にNBAで揉まれた成長ぶりを立ち上がりから『エースの仕事』という形で披露する。いきなりプルアップの3ポイントシュートを沈めると、相手のビッグマンのコンタクトをあえて誘っての得点など試合開始から4分で9得点を荒稼ぎ。さらに八村のアシストから渡邊雄太の3ポイントシュートも決まり、日本は18-6と早々に2桁のリードを奪った。

第1クォーター残り3分には比江島慎のアシストを受けた八村がトップスピードのランニングダンクを叩き込み、26-6と20点差に。八村は悠々とベンチに下がった。第1クォーターの締めはベンドラメ礼生の3ポイントシュート。調整ムードのベルギー代表を走力でもフィジカルでも圧倒し、30-11と大量リードを奪った。

第2クォーターは3分半に渡り得点が生まれなかったものの、その間も失点は2とディフェンスが崩れることはなく、ベルギーに付け入る隙を与えない。渡邊雄太が速攻から伸びやかなレイアップに持ち込んでオフェンスの停滞を打開すると、ここで八村がコートに戻り、ギャビン・エドワーズのお膳立てから簡単に得点を奪う。こうして調子を取り戻した日本は渡邊のディープスリーも決まり、NBAコンビの活躍でリードを広げていった。

44-28で迎えた後半、ベルギーの素早いパスワークに対して見事なローテーションでディフェンスを崩さず、タフショットを打たせて速攻に転じて、馬場からエドワーズへのアリウープとビッグプレーが飛び出す。八村、渡邊、馬場の『海外組』揃い踏みの約5分間で9-0のランとリードを広げた。

男子日本代表

終盤には『国内組』も奮起、チームとして収穫の多い一戦に

第4クォーターには国内組が奮起。張本天傑が相手の接触を恐れずゴール下まで攻め込んでバスケット・カウントをもぎ取れば、金丸晃輔が3ポイントシュートでリングを射貫く。馬場とエドワーズのピック&ロールで相手ディフェンスを引き付けてのキックアウトから田中大貴がオープンのコーナースリーを沈める。エドワーズからダイブするシェーファー・アヴィ幸樹にパスを合わせてファウルを引き出す即興のプレーも決まった。試合終盤には比江島もドライブで仕掛けてバスケット・カウントの3点プレーを決める。最終スコアは87-59。先週には70-73で敗れた相手に、見事なリベンジを果たした。

八村と馬場の主力2人が合流したばかりで、ケミストリーはこれから作っていく段階のはずなのだが、ディフェンスは素早く正確なローテーションから相手にイージーなチャンスを与えず、オフェンスでもテンポが上がってリングにアタックする姿勢を強く打ち出し、ベルギーを常に押し込むことができた。2人が加わったことでチームは大きなレベルアップを遂げたと言える。

八村は第4クォーターはプレーしなかったものの、19分のプレーで24得点6リバウンド2アシストを記録。合流直後でも流石のパフォーマンスを見せた。試合後の八村は自身の出来を「まあまあでしたね」と振り返るとともに、「僕らもチームとしてやっと揃った状態で課題はある。もう1試合しかエキシビジョンはないんですけど、課題を克服してオリンピックに向けてしっかりやっていきたい」と語った。