クリス・ミドルトン

アデトクンボは相棒を信頼「彼が決めることは分かっていた」

敵地での第1戦、第2戦を落としたバックスは、ホームで2連勝を収める必要があった。1勝3敗にされたら、シリーズはほぼ終わったも同然。第3戦で勝ったことが気持ちの隙を生むことはなく、正しいメンタリティで全員が戦った結果が、109-103の勝利だった。

簡単な試合ではなかった。むしろ、大苦戦の末に見いだした勝機を手繰り寄せ、何とか競り勝った形だ。サンズのシュートタッチは総じて好調で、バックスの3ポイントシュートは24.1%(29本中7本成功)と上向かなかった。しかし、タフショットを難なく沈めていくデビン・ブッカーのパフォーマンスが目立つ中で、クリス・ミドルトンもミドルレンジのジャンプシュートを積み重ねて得点を伸ばしていった。その結果、ブッカーの42得点に迫る40得点を記録。特に第4クォーター終盤の勝負どころではミドルトンが上回り、バックスに価値ある勝利をもたらした。

ミドルトンは言う。「終わったと思った瞬間もあったけど、誰も屈しなかった。僕らはいくつかのピンチを耐えて、勝つ道筋を見いだしたんだ。これまでにも苦戦してきたけど、そこから学んできた。様々な試合の展開を経験し、様々なスタイルで勝つことを学んだ。その自信と勢いを持ってサンズに立ち向かうことで、チャンスを得られたんだ」

バックスはヤニス・アデトクンボ中心のチームだが、控え目ながらもミドルトンもそれに並ぶ存在だ。こういうタフなゲームを勝ち抜く時こそ、攻守に安定したパフォーマンスでチームを支える彼のプレーは光る。アデトクンボは26得点14リバウンド8アシストとトリプル・ダブルに近い結果を残したが、主役の座を相棒に譲って「今夜の彼は信じられないパフォーマンスを見せた。ボールを持って決定権を担い、自由にプレーしてほしい。彼がビッグショットを決めることは分かっているんだからね」と、その働きを称えた。

どちらがエースの働きをするか、という話ではない。アデトクンボとミドルトン、2人ともバックスに欠かせない両輪なのだ。ドリュー・ホリデーは言う。「ずっと一緒にこのチームにいて、すべてを経験してきた2人だ。良いことも悪いことも、一緒にたくさん経験してきた。彼らは期待され、それと同時にプレッシャーも背負って、すべてを乗り越えてきた。そんな2人がこのような舞台で活躍するのは素晴らしいことさ。彼らは僕らに自信を与えてくれる。そして僕らを支えてくれるんだ」