最悪の場合はオリンピック出場を回避、代替選手が出場?
東京オリンピックに向けて始動したアメリカ代表は、ラスベガスでトレーニングキャンプを行いつつ、強豪国を招いて試合を重ねている。そのチーム作りの大事な時期に、思わぬアクシデントが起きた。ブラッドリー・ビールの健康安全プロトコル入りだ。詳細は明らかになっていないが、定められた条件をクリアするまでビールは隔離され、トレーニングに参加できなくなる。
オリンピック初戦のフランス戦は7月25日で、それまでに復帰できればいいが、練習に参加できない時期が長引けばコンディションの低下が懸念される。ビールの復帰が間に合わない場合には、若手中心のセレクトチームから代替選手を出すことになりそうだ。
ウィザーズのエースであるビールはステフィン・カリーにわずかに届かず得点王を逃したものの、平均31.3得点と素晴らしい数字を残してアメリカ代表に招集された。オリンピック出場は今回が初となるが、3度のオールスター選出も含めて実績は十分。ケビン・デュラント、デイミアン・リラードとともにチームUSAのオフェンスを引っ張る存在として期待されている。それだけに、彼の離脱によるダメージは決して小さくない。
さらに大きな不安は、状況がさらに悪化することだ。今年に入って間もなく、セルティックスのジェイソン・テイタムが新型コロナウイルスに感染した際、その直前の試合で対戦していたのがウィザーズで、同郷で仲の良いテイタムとビールは試合後にハグで健闘を称え合ったのだが、ここからビールも健康安全プロトコルに抵触したとして試合に出られなくなった。その後、ウィザーズ内では八村塁を含む多くの選手が健康安全プロトコル入りし、約2週間に渡り試合ができなくなった。ここでコンディションを落とし、試合勘も失ったウィザーズは再開後に4連敗。シーズンを左右するほどのダメージを受けた。
来週には東京に乗り込むという時期に複数の選手が健康安全プロトコル入りするとなれば、チームは空中分解してしまう。幸いにもビールに症状は出ておらず、健康を維持しているとの情報もある。彼が早期に練習を再開できるようになり、チーム内でプロトコル対象者が増えないことを願うばかりだ。