男子日本代表

「最後の1秒まで戦ったが、我々のバスケットができていなかった」

沖縄アリーナで行われる国際強化試合3連戦は今日が最終日。フリオ・ラマス率いる日本代表はフィンランドと対戦した。

日本の先発は田中大貴、比江島慎、渡邊雄太、ギャビン・エドワーズ、シェーファー・アヴィ幸樹。立ち上がりは渡邊のミドルジャンパーが決まり、続いて渡邊のドライブからのパスアウトで味方が打ちきれないと見るや再びボールを持って仕掛けてのフリースロー奪取と渡邊で押す形だったが、その後は田中と比江島のコンビネーションを軸にバランスの良いオフェンスを展開した。

第1クォーター終盤に投入された富樫勇樹は、素早いボールプッシュから自ら3ポイントシュートを決めるのに加え、ドライブからのキックアウトでワイドオープンのチャンスを作り出す。ベンドラメ礼生はファウルこそ重なったものの、前から激しいプレッシャーを与えてフィンランドの得点をシャットアウト。ポイントガードが三者三様のパフォーマンスを見せた。ただ、良いチャンスは作るものの特にアウトサイドのシュートが決まらず、終盤に相手の速攻を立て続けに浴びて、30-34とビハインドで前半を終えた。

後半立ち上がりもピリッとせず、スティールから速攻に転じるパスにミスが出て逆速攻で失点。渡邊がスリップして転倒、そのまま速攻を食らうシーンもあった。それでもエドワーズから渡邊へ合わせのパスが通ってのダンク、金丸晃輔の連続3ポイントシュートで同点に追い付く。

それでも、フィジカルで押し込む強さはないが、スピードと運動量のあるフィンランドを逆転することができない。53-57の4点ビハインドで迎えた最終クォーター序盤、プレータイムが主力に偏る日本は出足の一歩で負けるようになり、2-8のランで点差を2桁へと広げられる。渡邊もエドワーズへ預けるパスをカットされて速攻を浴び、得点を止めに行くもファウルを取られてバスケット・カウント献上とミスが出た。

残り4分半、10点差の時点で滑るフロアに再三足を取られて痛めていた渡邊がベンチへ。それでも残り2分、ペイントアタックしたエドワーズからのパスを受けた金丸が、この日4本目となる3ポイントシュートをねじ込み、さらにファウルも受けていてボーナススローも決めて67-70と1ポゼッション差に詰め寄る。ただ、運動量が落ちてリバウンドで競れなくなり、渡邊の個の力も失った日本に引っくり返す力は残っていなかった。

最終スコアは71-76。渡邊は17得点、エドワーズは15得点を結果を出したものの、試合終盤の大事な場面で渡邊がプレーできず、エドワーズもガス欠となり、他の選手では逆転のチャンスを生かせなかった。プレータイムは渡邊が28分、エドワーズは29分半だが、数字以上に試合序盤から彼らへの負担が高すぎる課題が浮き彫りになった。

ヘッドコーチのフリオ・ラマスはこう語る。「最後の1秒まで戦ったが、我々のバスケットができていなかった。もっとダイナミックな動きやセットプレーのエクスキューション、スピードができていなかった。相手はやりたいバスケができており、そこに対応できていなかったのが敗因」

プロではなく学生の選手も多い、今後に向けて経験を積む目的で日本へやって来た若手中心のフィンランドに敗れたことは、日本にとって決して小さくない誤算となった。