琉球の創成期を支えた『ミスター・キングス』
仙台89ERSが金城茂之の現役引退、アシスタントコーチ兼スキルコーチに就任することを発表した。
36歳、沖縄県出身の金城は琉球ゴールデンキングスのチーム誕生とともにキャリアをスタートさせた。その後、生え抜き選手としてチームを支え、キャプテンも務めた金城は『ミスター・キングス』として多くの琉球ファンから愛された。2019年、チーム創設から12シーズンに渡って在籍した琉球を離れ仙台に移籍。今シーズンは57試合中13試合で先発を務め、平均16.6分のプレータイムで3.7得点、1.5リバウンドを記録した。
代表取締役社長の志村雄彦は労いの言葉を贈っている。「地元沖縄でプロデビューし、キングスを常勝チームに押し上げプレーし続けたシゲ、本当にお疲れ様でした。怪我もありコートに立てない時間があった中、キャリア終盤ではバスケIQの高さとスキルで闘える姿を見せてくれました。以前に私がキングスにレンタル移籍した際にともにコートに立ち闘った仲間と、こうして仙台89ERSで再会し、闘ってこれたことは夢のような時間でした。仙台89ERSの目標を果たすため、今シーズンから新たにコーチングスタッフに加わったシゲと、新しい形でともに闘えることになりました。これまでの経験を生かし、コーチングスタッフと選手の懸け橋となりチームに貢献してくれることでしょう」
また、金城も引退に至った経緯とともに今後についてコメントしている。「シーズンを通して戦うことがなかなか難しく、特に古傷の膝への負担も年々大きくなり、体力の限界を感じておりました。今後の人生において、これまで戦ってきた身体を、労わりたい気持ちが大きくなってきたのが事実です。若い頃に思い描いていた引退の形にはなりませんでしたが、プロ生活14年、優勝、最下位、大怪我、移籍、変化、決断、様々な経験を経て、紆余曲折ある楽しい14年間でした。 おかげで屈強な精神力を手に入れることができ、今後の人生でも生かせる忍耐力、行動力を得ることができたと思っています」
「今後は、仙台89ERSのアシスタントコーチ兼スキルコーチとしてお声がけいただき、能力的にも力不足なのは承知ですが、ありがたくお受けすることにいたしました。年々進化していくBリーグのレベルの高さや、若い選手もどんどん活躍しておる中で、今後は違う立場で日本のバスケ界の発展を楽しみながら、これまでの経験を生かして、失敗を恐れずに挑戦していきたいと思います。同時に、コーチングや社会人として多くのことを吸収していきたいと思っています」