文=鈴木健一郎 写真=野口岳彦、吉田武

昨シーズンの悔しさを胸に、Bリーグ初代王者を目指す

昨シーズンのNBLではファイナルで敗れ準優勝に終わったシーホース三河。王手をかけてからの逆転で川崎ブレイブサンダースに『NBL最後の王者』の称号を奪われただけに、ショックは大きい。だが、その悔しさがあっただけに、新しく始まるBリーグに挑むチームにとっては刺激に事欠かなかった。

シーホース三河を代表して先日の『TIP OFFカンファレンス』に参加した長谷川智也は言う。「ファイナルでの負けがやはりあって、もう少し控えメンバーの力を信じて使ってもらえるように、もう少しパワーアップしなきゃいけないと思い、このオフシーズンはウェイトトレーニングやシューティングのところでレベルアップに取り組んできました」

昨シーズンにNBDLの大塚商会から加入した長谷川智也は、トップリーグで過ごす1年で貴重な経験を積んだ。シックスマンとしてチームを支え、アルバルク東京とのセミファイナル第1戦など重要な試合で勝利を決定付ける働きもやってみせた。トップリーグでのデビューは遅れたが、27歳の今、Bリーグ開幕を準備万端で迎えることができたと言っていいだろう。

「昨シーズンはファイナルだけじゃなく全試合で良い経験をさせてもらいました。特にセミファイナルの東京戦からプレータイムも長くもらえるようになって。そこで結果が出せたことで自信を得られたというのが正直なところです」

狙うのはもちろん、Bリーグ初代王者の称号。「そこは間違いないですね」と長谷川は言う。「でも自分たちの力がまだ分からないので、新リーグは一からという気持ちでチャレンジします」

「主力メンバーは変わっていないので、やることは昨シーズンと一緒です。ただ、それだけじゃ勝てなかったので、チーム間のコミュニケーション、選手とスタッフのコミュニケーションをもう少し取っていくことがすごく大事だと思っています」

Bリーグを迎えるにあたって変化は? 「チームの雰囲気はあまり変わっていないですけど、ユニフォームがブルーになったのが一番変わったところですね(笑)」

最後に長谷川はBリーグのファーストシーズンに向けた意気込みを語ってくれた。「コート内では昨シーズン以上に、120%の力を出せるように、良くも悪くもチームの流れを変えるように頑張りたいと思います。気持ちを出したプレーが僕の最大の魅力だと思うので、キャプテンの橋本竜馬さんに負けないようにやります!」

シーホース三河のBリーグ初戦は滋賀レイクスターズとのアウェーゲーム。その翌週、10月1日と2日が記念すべきホーム開幕戦、ウィングアリーナ刈谷に同じく愛知県を本拠地とする名古屋ダイヤモンドドルフィンズを迎える。

昨シーズンはトップリーグの戦いで存在感を示し、大いに自信を高めた。