ヤニス・アデトクンボ

アリウープ阻止に跳んだ際の着地で『左膝の過伸展』に

東カンファレンスファイナルのバックスvsホークスは、どちらも過密日程の末にエースを欠く厳しい戦いとなっている。トレイ・ヤングが第3戦で足首を捻挫し、現地6月29日の第4戦を欠場。その第4戦ではヤニス・アデトクンボが膝を痛めた。

バックスは第4戦で88-110と完敗を喫し、シリーズの通算成績を2勝2敗のイーブンとされたが、アデトクンボのケガは1試合を落とす以上の痛手となるかもしれない。

クリント・カペラのアリウープを阻止しようと跳んだアデトクンボは空中でバランスを崩し、着地の際に左膝に全体重が圧し掛かる形に。膝は一瞬、あってはならない方向に折れ曲がり、アデトクンボはコートに倒れ込んで悶絶した。その後、兄のタナシスに支えられながらも自分の足でロッカールームに戻ったが、その痛がり方は尋常ではなく、大ケガが懸念された。

それでも、MRI検査では骨折や靭帯断裂などの構造的な損傷は認められず、『左膝の過伸展』と発表されている。クリス・ミドルトンは試合後、「深刻でないことを祈るだけだよ」とコメントしながらも、アデトクンボがこのまま長期離脱になる可能性も考慮してか、「何事もなければ最高だけど、そうでなくても僕たちには勝つだけの力がある」と語っている。

膝の十字靭帯断裂であれば来シーズンも全休になるところだったのだから、最悪の事態は避けられたと言えるだろう。それでも、第5戦の出場は疑わしいとされ、復帰時期は明らかになっていない。クリッパーズのカワイ・レナードがそうであるように、欠場が長引く可能性は否定できない。ミドルトンが言うように、アデトクンボが不在でも目の前の試合に勝つ精神的な強さが求められる。

アデトクンボがケガをしたのは第3クォーター残り7分半の場面。エースのケガに動揺したバックスは、そこから15連続失点を許して一気に20点差を付けられてしまい、終盤も反撃できないまま完敗を喫している。

そんな中、PJ・タッカーはアデトクンボがケガをしたショックでプレーする気力を失ってしまったチームに彼は怒っていた。「僕は勝つことしか考えていなかったけど、チームとしてこのゲームに勝ちたいという気持ちを出せなかったと感じている。彼がケガをしたから負けたんじゃない。負けた要因の一つに過ぎないことは理解しないといけない」