デビン・ブッカー

ベバリーのマークをかいくぐり『無敵状態』になれるか!?

サンズはクリッパーズとの西カンファレンスファイナル第3戦を落とし、戦績を2勝1敗とされた。

サンズのエース、デビン・ブッカーは第2戦でパトリック・ベバリーの頭突きを受けて鼻骨を骨折。第3戦ではフェイスマスクを着用して試合に臨んだが、この日のブッカーは21本中5本のフィールドゴール成功に留まり、15得点4ターンオーバーと振るわず、クリス・ポールの復帰戦を勝利で飾れなかった。

ブッカーは第3戦に臨むにあたり、2004年にピストンズで優勝し、同チームの永久欠番にもなっているリチャード・ハミルトンにアドバイスを求めたという。ハミルトンは人生で3度の鼻骨骨折を経験し、保護のためにフェイスガードをつけ始めた。ケガが治りマスクを外した後に調子を落としたため、ゲン担ぎも兼ねてその後も着用し続けたことで、フェイスガードは彼のトレンドマークとなった。過去にはコービー・ブライアントやジョエル・エンビード、JR・スミスに、マスクを着用してプレーするための方法をアドバイスしてきた。

『The Undefeated』によれば、ハミルトンは以下のアドバイスをブッカーに送ったという。「マスクをつけても、シュートの仕方が変わるわけではない。フリースロー時やタイムアウト中に外したがる選手もいるし、変な感じがするかもしれないが、一度着けたらそのまま着けておいたほうがいい。着けたままにしておけば、外している時のほうが心配になるはずだ」

また、ハミルトンはフェイスマスク着用時のメリットについても語った。「マスクをしていれば、ドライブに行く際に目や口を突かれても守ることができるし、無敵の気分になれるはず。マスクをしている方が自信を持ってプレーできるんだ」

結果的に第3戦のブッカーは無敵とは程遠いパフォーマンスとなってしまったが、「マスクによる影響はない」と言い訳にしなかった。第1戦で40得点を挙げたが、ディフェンスの名手であるベバリーの徹底マークに遭い、その後の2試合でフィールドゴール37本中10本成功、3ポイントシュート成功率20%と封じ込まれている。ブッカーが「ウルトラアグレッシブ」と称したように、ベバリーはディナイでブッカーへのパスコースを塞ぎ、フィジカルでもストレスを与え、ボールに手を出すなど様々な手段でブッカーを抑え込んできた。それでも、ブッカーは「彼には目的があって、僕はそれを理解している。他の部分が開けてくるはずで、どこが空いていのるかを見て、そこから何が得られるかを見つけるんだ」と、すでに打開策を頭の中で描いている。

クリッパーズはカワイ・レナードが第4戦を欠場し、マーカス・モリスもプレータイムが制限される見込み。対するサンズもクリス・ポールは復帰明けで、第3戦で足首を捻ったキャメロン・ペインもコンディションに不安を抱えている。フルメンバーではない状況でサンズがNBAファイナル進出に王手をかけるには、ブッカーが無敵状態になる必要がある。