グリズリーズとの本契約へ向け渡米した渡邊雄太「楽しみでしかない」

2018/08/23
NBA&海外
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渡邊雄太

文=丸山素行 写真=バスケット・カウント編集部、Getty Images

「コートに立つだけじゃ絶対に満足できない」

田臥勇太以来となる日本人NBAプレーヤー誕生への期待がかかる渡邊雄太が、トレーニングキャンプに参加するため今日、成田空港から渡米した。

渡邊はグリズリーズと2ウェイ契約を結んだが、NBAデビューを果たすためにはトレーニングキャンプやプレシーズンゲームで信頼を勝ちとる必要がある。

それでも渡邊は「期待がほぼ100%で、不安はそんなにないです。ビザの取得に時間がかかり、日本にいた期間が思ったよりも長かったので、早く行きたかったです。今はワクワクしてるし、楽しみでしかないです」と期待に胸を膨らませていた。

軽快なフットワークや長いウイングスパンから繰り出されるブロックショットなど、渡邊の強みはそのディフェンス力だ。ジョージ・ワシントン大学時代には、所属したアトランティック10カンファレンスで最優秀ディフェンス選手賞を受賞している。

渡邊も「大学時代から得意としていたディフェンス力と3ポイントシュート。その2つをアピールすることができたらコートに立つことができると思う」と話しており、『3&D』プレーヤーとしての立ち位置を確立できるかが勝負になる。

「まだ2ウェイなのでコートに立てるかどうかもまだ分からない」と現在地を把握している渡邊は、「まずはコートに立って自分の役割をしっかりもらう。コートに立つだけじゃ絶対に満足はできないので、徐々にコーチやスタッフ陣に『こいつ使えるな』と思ってもらって成長していきたい」と力強く語った。

渡邊雄太

代表への思い「あの時の悔しさを晴らせるように」

これからNBA生き残りへの大きな挑戦が続くことになる渡邊だが、日本代表についても言及した。

「誰でもなれるものでもないですし、代表でプレーすることは価値あることだと思っています。プレッシャーもあると思いますが、それ以上に国を背負ってプレーできるという楽しみも大きいと思うので。出場できたら2年ぶりになりますが、日本の勝利に貢献したいです」

2年ぶりと言うように、渡邊は2016年のリオ五輪に向けた世界最終予選に出場した。だが世界の壁は高く、2連敗を喫しオリンピック出場を逃がした。渡邊はその時の光景を忘れられないという。

「あの時は初戦にボロ負けして、2戦目は惜しいところまでいきましたけど、最後は力の差を見せつけられました。僕自身、世界と日本のバスケットの差を肌で感じたので、自分がもっと成長して今後こういう国を相手に活躍して勝っていけるような選手になっていかないといけないと強く思いました。今回参加できたら、あの時の悔しさを晴らせるようにしたいです」

代表への熱い思いを語った渡邊だが、実現できるかどうかは本人も分かっていない。「9月13日のカザフスタン戦、17日のイラン戦の両方に出たい気持ちがあるんですけど、僕だけの意見で動くことができない状況なので。今のところ出れるか出れないかは分からないです」

日本にとって渡邊の代表参加は頼もしい限りだが、グリズリーズ側が参加を許可するかは分かっていない。それでも最高なシナリオとしてはグリズリーズで本契約を勝ち取り、NBA選手として代表に参加することになるだろう。

史上2人目となる日本人NBAプレーヤーへ、渡邊の本当の戦いがこれから始まる。