ケント・ベイズモア

写真=Getty Images

500人中499位からスタートしたキャリア

2014-15シーズンからホークスでプレーし、今でこそリーグ有数の『3&D』として知られるケント・ベイズモアだが、順風満帆なキャリアを送ってきたわけではない。

オールド・ドミニオン大学から2012年のドラフトにエントリーするも、どのチームからも指名されず、シーズン前の『ESPN』新人評価では500人中499位にランクづけされるところからスタート。それでも努力を怠ることなく、Dリーグ(現Gリーグ)を経てNBAでのチャンスをつかんだ。

ウォリアーズでNBAデビューを飾ったベイズモアは、その後もシーズンごとに評価を上げ続け、2014年のオフにホークスに移籍。実績を認められ、2016年には4年7000万ドル(約77億円)の大型契約を勝ち取った。昨シーズンもチームの要としてプレーし、得点(12.9得点)、アシスト(3.5)、3ポイントシュート成功率(39.4%)でキャリアハイをマークした他、3.8リバウンドという成績を残した。

厳しい競争に勝って現在の地位を手にしたベイズモアの功績は、生まれ故郷のノースカロライナ州ケルフォードでも称えられている。今回、街への到着を歓迎する道路標識の下に、『NBA選手ケント・ベイズモアの生地』という標識が設置され、これをベイズモアがTwitterで紹介した。

看板の隣に立って撮影した記念写真を投稿したベイズモアは「急がず立ち止まり、人生を楽しむ。信じられない。何と言っていいのか、いろいろな感情が入り混じっている」とコメント。

大学で福祉学と刑事裁判学の学位を修めたベイズモアは、年に一度バスケットボールキャンプを開催し、若い世代にバスケットボールとゴルフを指導している他、自身の財団では奨学金プログラムという形で若者を支援している。

大金を手にした後も社会活動に力を入れているベイズモアは、地元に対する感謝の気持ちをこう表現している。「僕が座右の銘にしているジョン・グレン(アメリカ初の地球周回軌道を飛行した宇宙飛行士)の言葉だけれど、『人間は、己より大きくて、特別な何かに携わった時に、より満足感を得られる』んだ。僕は一生ケルフォードを大切にし続けるよ」