レブロン・ジェームズ

写真=Getty Images

4年前のキャバリアーズは開幕ダッシュに失敗

2018-19シーズン開幕まで約2カ月に迫った今、やはりレブロン・ジェームズが加わったレイカーズは大きな注目を集めている。昨シーズンは若手コア中心で35勝47敗を記録したチームは、このオフにレブロンを筆頭に大型補強を断行。新たなチームで「勝ちに行く」シーズンに挑む。

レブロンの加入により、6シーズンぶりのプレーオフ進出は固い。しかし、新チームでの1年目で王者ウォリアーズやロケッツら西カンファレンスの強豪にどこまで肉薄できるかが問題だ。

開幕ダッシュ成功が当然という期待に反し、球団社長のマジック・ジョンソンは、「最初の数カ月は苦戦する」と、チームケミストリーが一朝一夕では構築されないことを強調し、この時期からファンに辛抱強く見守るよう呼びかけている。

そんな中、キャバリアーズの前GMであるデイビッド・グリフィンが新生レイカーズについてコメントした。彼は4年前にマジック・ジョンソンと同じような立場に身を置いている。2014年、キャブズはレブロン、カイリー・アービング、ケビン・ラブの『ビッグ3』結成で優勝候補の一角に挙げられた。しかし、開幕から思うように結果が出ず、39試合を消化した時点で19勝20敗と負け越す予想外の事態に。ポッドキャスト番組『The Full 48』に出演したグリフィンは、当時をこう振り返る。

「レブロンが復帰した1年目、我々はケビン・ラブ、カイリーを組ませたが、19勝20敗のスタートになってしまった。シーズン序盤に躓いたとしても、東カンファレンスではそこまでストレスを感じることはない。当時のロスターは強力だったので、プレーオフに進出できさえすれば勝てると思っていた」

ただ、グリフィンは今回のレブロンの挑戦は別物になると主張する。「西では余裕がない。チームが機能する方法を一早く見つける必要がある。開幕から19勝20敗なんてことになったら、選手がチーム戦術にフィットしていないということだ」

グリフィンの指摘は正しい。西高東低が進むNBAでは、シーズンへのアプローチも東西で変わる。昨シーズンの戦績を見てみると、44勝38敗を挙げて東の5位でポストシーズンに進出したヒートであっても、西の順位表にあてはめると10位にまで順位が下がり、プレーオフには出られない。今シーズンはさらに競争が激化すると見られているため、西では50勝でもプレーオフに進出できないチームが現れる可能性もある。

レブロンが加わったレイカーズも序盤戦のスタートで出遅れてしまえば、巻き返しは簡単ではない。プレーオフに進出するようなチームはどこも後半戦に調子を上げていくもの。新生レイカーズに求められるのは最低でも勝率5割を常にキープすることだ。

新チームでの1年目の苦労は予想できるが、西ではケミストリー構築にもタイムリミットがあることを忘れてはいけない。