辻直人

「ただ、『辻直人の第二章』がここから始まります」

川崎ブレイブサンダースは今日、辻直人が契約満了となり、自由交渉選手リストへ公示されたことを発表した。

辻は青山学院大から当時の東芝に加入し、以後ブレイブサンダースでキャリアを過ごしてきた『チームの顔』の一人であり、ニック・ファジーカスとともにエースの重責を担ってきた。それでも今シーズン限りでの退団となり、その背景を北卓也GMは「双方の考えがある中でどうしても条件が合わなかったため、このような結果となってしまい無念です」、「川崎のコートで彼の姿を見ることができないことはとても寂しいこと」とコメントしているが、同時に「辻選手の新しい挑戦を応援すると同時に、対戦する際には楽しみでもあります」と前向きに送り出してもいる。

NBL最後のシーズン、爆発的な得点力を見せてリーグ優勝の原動力となり、ファイナルMVPに輝いた辻だが、Bリーグになってからの5シーズンはケガに苦しむことも多く、なかなかコンスタントに活躍できず、またチームもタイトルから遠ざかった。それでも昨シーズンの天皇杯ではゲームメークの比重も増やす新しいプレースタイルで復活を印象付け、この時は準優勝に終わったが今年の天皇杯では優勝に貢献している。今シーズンは59試合に出場、22.2分のプレータイムで9.1得点を記録した。

辻は退団のリリースで次のようなコメントを発表している。

「自分自身、勝手にこのクラブでキャリアを終えるのだろうなと思っていました。しかしながらこの度、契約満了となり川崎ブレイブサンダースを離れることとなりました。社会人として、プロ選手として、ここまで9シーズン川崎ブレイブサンダースでプレーさせて頂けたこと、クラブの皆様、関わってくれたすべての関係者の皆様に、本当に感謝しております」

「何よりも、会場やSNS等を通じて応援し続けてくださったファミリーの皆様のおかげで最後まで戦い抜くことができましたし、自分の背中を押し続けてくださったことに改めて感謝申し上げます」

「ルーキーから9年間、ずっと応援してくださっている皆様、川崎ブレイブサンダースを、辻直人を応援してくださっている皆様、本当にありがとうございました。引き続き、川崎ブレイブサンダースを宜しくお願いいたします。今でも、これが現実なのか信じられないですし、正直なところ今は寂しさしかありません…。ただ、『辻直人の第二章』がここから始まります。是非とも応援宜しくお願いいたします!」

また、川崎はマティアス・カルファニの契約満了も発表。これで大塚裕土、青木保憲を合わせて4人が退団することになる。