西岡里紗、篠崎澪、山本麻衣、馬瓜ステファニーの大仕事
3人制バスケットボール『3×3』の東京オリンピック出場権を懸けた予選(OQT)は昨日が最終日、日本は準決勝でフランスに敗れて3位決定戦へと回るも、ここでスペインを相手に逆転勝ちを収め、出場権獲得のミッションを達成した。
準決勝のフランスは、これまでとは違うフットワークの良いディフェンス力を持ったチーム。外でボールを回し、タイミングを見計らってドライブを仕掛けても、コースを身体でふさがれてレイアップまで持ち込めない。日本も同じく足を使ったディフェンスを見せるが、高さで劣る分だけリバウンドで不利。ファウルを使いながら耐え、開始3分半で4-4と超ロースコアの展開となった。
しかも途中で馬瓜ステファニーが足を痛め、プレーを続行するもののキレを欠くことに。それでもフランスのチームファウルが7になったことで終盤に追い上げ、14-15と1点ビハインドで迎えた残り7秒から、篠崎澪との連携でフリーになった山本麻衣が決めれば逆転ブザービーターとなる2点シュートを放つも、これはリムに嫌われた。
その2時間半後に行われた3位決定戦。スペインはフランスほどのディフェンス力はなく、日本のドライブは通用した。それでもオフェンス力は高く、ファウルにならない範囲でポストアップで押し込み、ゴール下でのコンタクトありのシュートを高確率で決めてくるチーム。篠崎と山本の2点シュートで日本が好スタートを切ったのだが、スペインはインサイド攻めから一転して2点シュートを狙って3本連続で決める7-0のランで、試合を一気にひっくり返した。
馬瓜はケガの影響を感じさせないプレーを見せたが、どのチームよりも走って勝負する日本は、この日3試合目とあって疲れを見せた。足は動いているものの、フィニッシュの精度に狂いが出てレイアップが決まらない。それでも、ここで焦らずディフェンスに集中して相手のイージーシュートを許さず、ファウルを引き出すことで、スコアでは負けていても相手を追い詰めていく。
この日3試合目の3位決定戦、消耗戦の末に日本が逆転勝ち
終盤には相手もガス欠を起こした。篠崎がドライブで完全に抜き去ってシュートを決め、18-18としてオーバータイムに持ち込む。相手はチームファウルがかさんでペナルティシチュエーションになっていた。2点差を付ければ勝利の延長で、山本がドライブでファウルをもぎ取り、フリースロー1本は落としたものの2本目を決めて久々のリードを奪う。
試合を決めたのは馬瓜だった。ボールを動かして馬瓜とスペインの最も大きい選手のマッチアップを作り出し、スピードについていけず、ファウルもできない相手にドライブを仕掛ける。体勢を崩しながらも馬瓜はこのシュートをねじ込み、20-18で決着。日本が自国開催のオリンピックの出場権を勝ち取った。
日本は5人制の男子と女子、3人制の男子は開催国枠でのオリンピック出場が認められており、3人制の女子だけが予選を勝ち抜いて自力で出場権を得なければいけなかった。まだ新しい競技で何が正解か分からない中で日本らしいスタイルを作り出し、世界の強豪と渡り合って出場権を勝ち取った意義は大きい。