デリック・ローズ

写真=Getty Images

「昔のようにやりたいプレーを好きなタイミングでできる」

2011年にNBA史上最年少となる22歳6ヵ月でシーズンMVPを受賞したデリック・ローズは、それからキャリアを脅かす大ケガと闘い続け、浮き沈みを経験し続けている。

昨シーズンは東カンファレンスの優勝候補だったキャバリアーズで開幕を迎えるも、再びケガで戦線を離脱する事態に陥り、一時は精神的に立ち直れず、現役引退を検討しているとまで噂された。

今年の2月にキャブズからジャズにトレードされ、解雇を経てブルズ時代の恩師トム・シボドーが率いるティンバーウルブズと契約したローズは、プレーオフで平均14.2得点、フィールドゴール成功率50.9%、3ポイントシュート成功率70%を記録し、復活の兆しを見せた。フリーエージェントになったオフ、ローズはウルブズとの再契約を選択し、来シーズンもセカンドユニットで起用されることが濃厚だ。

MVP受賞から7年が経ち、ローズも29歳になった。『たられば』だが、もしケガをせずにキャリアを送れていたら、ローズはNBAの歴史を変えていたかもしれない。それだけの才能に恵まれ、努力する姿勢を持つローズの完全復活を予言している選手がいる。ウルブズでチームメートだったジャマール・クロフォードは、今シーズンのローズに周囲が驚く結果になると見ている。

ラジオ番組『Scoop B Radio』に出演した際、クロフォードは「彼の身体能力は、以前と変わっていない。速さなら、他のガードとそん色ない」と、ローズについて語った。

「練習では他を圧倒することもあるし、思うがままにミッドレンジからのシュート、フローターも簡単に決められる。彼なら、やりたいプレーを、好きなタイミングでできる。昔のようにね。彼はこんなことを言わないだろうけれど、自分のやりたいプレーをいとも簡単にこなせる。今シーズンの彼は、そういうプレーを見せて、周りを驚かせると思う」

ロケッツとのプレーオフ・ファーストラウンドでのパフォーマンスを維持できれば、ローズはかつての自分を取り戻せるかもしれない。少なくとも、彼を間近で見ていたクロフォードは、復活を確信している。