決着は火曜の第3戦へ、渡邉裕規「力を出し尽くして頑張りたい」
昨日のBリーグファイナル第1戦では85-65で千葉ジェッツが完勝を収めた。今日の第2戦では打って変わって宇都宮の持ち味ばかりが出る展開となり、1勝1敗で第3戦を迎えることになった。
初戦での宇都宮は攻守に本来のインテンシティの高さを出せず、最大の武器であるリバウンドで千葉に圧倒される屈辱のゲーム内容に。それでも一夜できっちり修正してきた。試合開始とともに千葉の司令塔である富樫勇樹に鵤誠司がフィジカルなディフェンスを仕掛け、ゴール下ではライアン・ロシターとジョシュ・スコットが千葉のビッグマンを締め出す。
立ち上がりの勢いで遅れを取った千葉は早々にタイムアウトを取り、セカンドユニットを投入すると、西村文男がリズムを立て直し、コー・フリッピンにアタックさせて盛り返す。しかし宇都宮のセカンドユニットも負けていない。渡邉裕規が思い切り良く放つアウトサイドのシュートを立て続けに決め、ジェフ・ギブスのシュートがこぼれたところを竹内公輔が押し込んで26-16と2桁のリードを奪った。第2クォーターに入っても目立つのは宇都宮の積極性、ボールへの執着心だった。竹内がルーズボールに身体を投げ出し、繋いだ先で渡邉が3ポイントシュートを沈めてリードを広げていく。
宇都宮はゴール下でのフィジカルな争いを制して、前日に明け渡した制空権を取り戻しただけでなく、千葉が得意とするトランジションも封じた。ディフェンスリバウンドを簡単に取らせない、取らせてもすぐにプレッシャーを掛けることで攻めに転じるのを遅らせ、オールコートで走る展開を出させない。ハーフコートに閉じ込められた千葉の攻めは窮屈になり、また強引に仕掛けても昨日のようにフリースローを得られず、どの選手もストレスを溜めていった。
トランジションを封じ、千葉の望む展開に持ち込ませず
32-52と20点差を付けられて迎えた第3クォーター立ち上がり、悪い流れを断ち切ろうとセバスチャン・サイズが奮起し、オフェンスリバウンドからのバスケット・カウントの3点プレーで幸先良いスタートを切ったに見えたが、続くポゼッションでスティールからワンマン速攻になるも、ようやく千葉の流れになったと思われたこのチャンスでレイアップを落としてしまう。その後も仕掛けるタイミングでトラベリングをコールされるなど、サイズが何とかしようとエナジーを出しても噛み合わない。またジョシュ・ダンカンもゴール下での劣勢にフラストレーションを溜め、ハンドリングミスからギブスにボールを奪われたところで個人4つ目のファウルを犯すなど波に乗れなかった。
一方の宇都宮は、ディフェンスではタフに戦い、攻めに転じるとスマートにプレーした。守備から攻撃への切り替えに千葉ほどの速さはなくても、ボールをよどみなくフロントコートに運び、フロアを広く使って有利なマッチアップを的確に使ってチャンスを作り出す。一気に突き放す爆発力はなかったが、20点前後のリードをキープするにはこれで十分。トランジションを封じることで試合のテンポを上げさせず、打ち合いの展開には絶対に持ち込ませなかった。
最終クォーター残り3分で20点差と勝利がほぼ決まっている状況でも、リバウンド争いからアウト・オブ・バウンズになろうとするボールに渡邉がダイブし、繋いだボールをジョシュ・スコットがきっちり押さえる。これでは千葉は付け入る隙がない。最後まで宇都宮がペースを握ったまま、83-59で完勝を収めた。
宇都宮は前日は千葉にやられたリバウンドで42-32と盛り返し、自分たちのアイデンティティを取り戻した。それと同時に千葉が得意とするトランジションを封じ、ファストブレイクポイントでは9-10と互角に。千葉の3ポイントシュートを18本中成功5本と抑えてロースコアの展開に持ち込みつつ、ロシター17得点、スコットが16得点、ギブスが15得点、渡邉が10得点とバランス良く得点を奪った。
安齋竜三ヘッドコーチは「昨日はファンの皆さんを失望させるようなゲームをしてしまった。今日はやり返せたと思う」と語り、ブレックスらしい力強さとしたたかさをコート上で体現した渡邉は「第3戦も力を出し尽くして頑張りたい」と必勝を誓った。Bリーグファイナルの第3戦は中1日の休養日を挟み、6月1日(火)19時5分ティップオフとなる。
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