「ポゼッションを多く稼ぐというところを体現してくれた」
Bリーグファイナル、千葉ジェッツvs宇都宮ブレックスのGAME1は、インサイドの攻防を制した千葉が85-65で勝利した。
ここまで大差がついたのは、千葉がセカンドチャンスポイントで24-6と大きく上回ったからに尽きる。チームハイの15得点に加え、12リバウンド(5オフェンスリバウンド)のダブル・ダブルを記録したギャビン・エドワーズの存在は一際目立っていた。
前半は拮抗したが、後半は千葉が49-30と圧倒した。エドワーズは後半に14得点4オフェンスリバウンドを記録して、チームに勢いをもたらしている。宇都宮は堅守とインサイドの強さを前面に押し出す戦いぶりでリーグ最高勝率を残したが、エドワーズは千葉のインサイド陣も負けず劣らずの破壊力があると信じていた。
「ブレックスはリバウンドが強いチーム。でもウチのビッグマンにアドバンテージがあると思っています。前半はあまりシュートが決まらなかったけど、後半はリバウンドを頑張りつつ、スコアのチャンスを生かしました」
大野篤史ヘッドコーチもビッグマンの働きを高く評価した。「ハードワークしてくれました。ギャビンだけじゃなく、ビッグマンがゴール下で身体を張ってくれて、ポゼッションを多く稼ぐというところを体現してくれた」
実際、エドワーズとセバスチャン・サイズ、そしてジョシュ・ダンカンの3人合計で13個ものファウルを誘発し、中でもエドワーズは7本のフリースローを獲得した。オフェンスが停滞した時間帯にフリースローで繋いだこともブレックスを追い詰める大きな要因となった。
「どちらのチームもビッグランを起こす可能性がある」
エドワーズは速攻の先頭を走れる脚力と、広いシュートレンジを併せ持つ万能型のビッグマンだ。実際、レギュラーシーズンの平均リバウンド数は6.1であり、2桁リバウンドを記録したのは53試合中4試合のみと、機動力がある分、リバウンドが特別強いイメージはない。そんなエドワーズがリバウンドで強さを見せることができたのは「負け試合のほとんどがリバウンドで負けていて、リバウンドにフォーカスして試合に挑んだ」からに他ならない。
そして、エドワーズはリバウンドについて持論を展開した。「リバウンドは努力次第だと思っていて、自分たちが良いシュートを打てればリバウンドも良いところに来るとも思っています」
奇しくも第1戦は20点という大差がついたが、実力が拮抗しているからといって接戦になるとは限らない。むしろ強豪同士がゆえ、相手の持ち味を一方的に潰せばこのような展開にもなり得る。実際、2年前のファイナルではアルバルク東京に25点差の大敗を喫した。エドワーズも「どちらのチームもビッグランを起こす可能性があり、点差をつける力を持っている」と言う。
冷静に分析したエドワーズだが、もちろん頂点を譲る気持ちは毛頭なく「エナジーを持ってプレーすれば勝てる」と話し、「しっかりリバウンドを取って相手のオフェンスを1回に抑えることができれば、良いオフェンスに繋がり勢いがつく。1回のポゼッションでリバウンドを取り切ることが明日も大事」と続けた。
ともにリーグトップクラスのインサイド陣を有するため、第1戦と同様にペイントエリアの攻防が勝負のカギを握るだろう。千葉がBリーグ制覇を達成するには、エドワーズのゴール下での奮闘が必要だ。
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