気持ちとハードワークでつかんだ1勝
千葉ジェッツは宇都宮ブレックスとのBリーグチャンピオンシップ、ファイナルGAME1に85-65で勝利し、優勝へ王手をかけた。
千葉は2017-18、2018-19と2年連続でファイナルの舞台にたどり着いたが、2度ともアルバルク東京に敗れた。途中で中止となった昨シーズンを除くと、3シーズン連続でファイナルを戦うことになり、どのチームよりも優勝への思いは強い。
富樫勇樹も「2シーズン続けてファイナルで敗れてしまった経験があるので、今年こそという思いで1年間やってきました。何が何でも明日は勝利して優勝したい」と言う。
宇都宮ブレックスのライアン・ロシターや遠藤祐亮が「千葉のほうがハードにプレーしていた」と認めたように、こうした思いの強さが結果に直結したと言える。
『気持ちの勝利』という言葉は確かに存在する。ポゼッションゲームのバスケットボールの場合、ボールへの執着心は勝負を左右する大切な要素となる。下馬評ではリバウンドに関しては宇都宮のほうがやや有利という見られ方が多かったが、セカンドチャンスポイントで24-6と圧倒したように、千葉のインサイド陣が圧倒した。ここまでの差がつくと、身長やパワーの差だけでは説明がつかず、気持ちの要素も含まれてくるだろう。
「努力してきたことのすべてを出さないといけない」
大野篤史ヘッドコーチは「40分間ハードワークし続けてくれたことが勝因」と語ったが、こうしたハードワークは技術よりも気持ちの強さが必要となる。そして、大野ヘッドコーチが選手たちへかけた言葉がハードワークを引き出した。
「シーズンを通してやってきたことを出すということ、選手生活は短いものだということを選手に伝えました。その中で、ここに立つために1年間犠牲にしてきたこと、努力してきたことのすべてを出さないといけないと伝えました」
今シーズンから2戦必勝方式となったため、明日の第2戦に勝利すれば悲願達成となる。だが、それは同時にあと1勝が必要なことを意味し、大野ヘッドコーチも「あと一つ勝たなければ、この1勝は何の意味も持たない。今日の喜びは忘れて明日に集中する。宇都宮さんは今日よりもタフなエナジーを持って戦うので、それに上回っていく準備をしていこう」と選手たちに伝えたという。
富樫も指揮官と同じ思いだ。「宇都宮さんは追い込まれているので、ハードにプレーしてくると思う。もう一つ勝たないと意味がないので、用意したプランと自分の役割を果たしたい」
今日の1勝に意味を持たせることができるかどうかは、明日以降のパフォーマンスに懸かっている。