八村塁

前半にハリス、終盤にエンビードを止められず

NBAはプレーオフが開幕。東カンファレンス8位のウィザーズは同1位のセブンティシクサーズとの初戦に挑んだ。

序盤はシクサーズの強力オフェンスを止められず、開始から約6分半で6-16と先行されたが、ウィザーズはベンチプレーヤーが流れを変える。イシュ・スミスがトランジションからフィニッシュまで持って行きリズムを作ると、ダービス・ベルターンズが2本連続で3ポイントシュートを沈める10-0のランで逆転した。

八村塁は第2クォーター開始3分、ベン・シモンズとの1on1からステップバックのミドルシュートを沈めて初得点を挙げると、直後のオフェンスでもジョージ・ヒルとのミスマッチからミドルシュートを成功させた。

トリプルチームをかいくぐられてフィニッシュされるなど、MVP候補のジョエル・エンビードに手を焼いたが、残り7分の場面でアレックス・レンがつっかけて、個人3つ目のファウルを誘発し、ベンチへ追いやることに成功。これでウィザーズが主導権を握るかと思われたが、序盤からシュートタッチが好調なトバイアス・ハリスを止められずに前半だけで28得点を許しアドバンテージを生かせなかった。

それでも、ラッセル・ウェストブルックとブラッドリー・ビールが粘り強くアタックし、ともに10得点を挙げ、アグレッシブにオフェンス参加したレンも10得点を挙げるなど、62-61とわずかにリードして前半を終えた。

後半に入っても、オフェンスがディフェンスを上回る点の取り合いとなり接戦が続いたが、前半に当たりが来なかった3ポイントシュートが当たり始めたシクサーズが抜け出す。シクサーズはハリスとセス・カリー、ダニー・グリーンらによる4連続3ポイントシュート成功で一気に逆転すると、エンビードがファウルを誘発し、確実にフリースローでスコアすることでリードを保った。

6点ビハインドで最終クォーターを迎えたウィザーズは、エンビードを休ませているこの時間帯に点差を詰めたかったが、ハリスにスコアされ、開始2分でこの試合最大となる11点のリードを許し、タイムアウトを要求した。直後、ロビン・ロペスの連続フックで追撃すると、八村も貴重な3ポイントシュートを沈めて2ポゼッション差まで迫った。

それでも、エンビードを戻したシクサーズの強固な守備を崩せずにウィザーズはミスが目立ち始める。パスの出しどころが見つからず24秒バイオレーションに、パスミスとターンオーバーが増え得点が伸び悩んだ。このクラッチタイムでエンビードを止められず点差が詰まらないまま時計が進んでいったが、ベルターンズと八村が3ポイントシュートを沈めて5点差に迫った。

残り44秒、シモンズがフリースローを2本とも失敗させて逆転の可能性を残したが、直後、ウェストブルックがラインクロスの痛恨のターンオーバーを犯してしまう。ウィザーズはファウルゲームを仕掛けるも、効果なく118-125で敗れた。

ビールが33得点を挙げ、ウェストブルックが16得点14アシストとオフェンスを牽引したが、ともに6ターンオーバーとミスも多かった。八村は2本の3ポイントシュート成功を含む12得点を挙げたが、ハリスにキャリアハイの37得点を許すなど、ディフェンスでの貢献が足らず、出場時の得失点差は-19とチームワーストに終わった。

第1シードの強さを見せつけられた結果となったが、巻き返しに期待したい。第2戦は日本時間27日の午前8時ティップオフとなる。