「我慢を続けられれば一瞬で流れを持ってくることはできます」
琉球ゴールデンキングスは、千葉ジェッツをホームに迎え撃つチャンピオンシップのセミファイナル初戦に85-96で敗れて後がなくなった。この試合、琉球は千葉の大きな特徴であるギャビン・エドワーズ、セバスチャン・サイズ、ジョシュ・ダンカンによる強力インサイドアタックに苦しみ、ゴール下で主導権を握られたのが響いた。
ただ、その中でも第4クォーター序盤に最大18点の大量リードを許したところから猛追を見せ、残り1分45秒には3点差にまで迫った。この試合で16得点を挙げた岸本隆一が「ディフェンスで我慢を続けられれば一瞬で流れを持ってくることはできます」と振り返ったように、敗戦の中にも光明は見えた。
今日の第2戦で琉球が千葉を撃破するには、リバウンド争いでどれだけ互角に渡り合えるかが一番のポイントとなる。そのためには、いかにコートに立っている5人全員でボール奪取に絡んでいけるかが肝だ。
岸本は言う。「課題はリバウンドで、もう少しチームとしてとりにいかなければいけない。特に前半で、オフェンスリバウンドを拾われて相手のインサイド陣を乗らせてしまった部分がある。そこに危機感を持ってゲームに入っていきたいと思います」
田代直希「日本人選手もリバウンド争いでよりヘルプに行かなければ」
キャプテンの田代直希も同じ意見だ。「全体的には自分たちがやりたかったディフェンス、オフェンスはできていたと思います。ただ、リバウンドでは、どうしても高さの部分で勝てなかった部分がありました。そこをどう修正できるかが終わってみての感想です。相手のビッグマンが激しいので、日本人選手もリバウンド争いでよりヘルプに行かなければいけないです」
また、当然だがディフェンスに加え、オフェンスでもいかに個の力に頼らずどれだけチームで戦えるかが大事だ。第4クォーターに入り、ジャック・クーリーが個人技で何度か打開した場面はあったが、田代は「1度や2度はいいですが、なるべく1対1はやりたくないです。1対1でバスケットを解決しようとすると、人の動きもボールも止まるので効率が悪いです」と話す。
今日の試合、琉球にとっては文字通りの崖っぷちであり、この苦境を打破するには選手一人ひとりのステップアップが求められる。岸本は「ここまで来て急激にチームとして飛躍することはありません」と前置きしつつも、自分たちのさらなる可能性を信じている。「セミファイナルに残った4チームの中で、自分たちは最もこの短い期間の中でも成長できる。一皮むけた時の強さを秘めている。自分たちが考えている以上のすごい力を生み出せると思っています。明日の試合でも成長できるように戦っていきたいです」
この絶体絶命の状況でも進化を遂げるためにも今日の試合、琉球は我慢を続け、常にチームとして戦っていくことが何よりも求められる。これを貫き通せた時、自分たちの望む結末が見えてくるはずだ。