八村塁

八村は力強いアタックからのドライビングレイアップなど得点を量産

東カンファレンスの第8シードを決めるプレーイン・トーナメント、ウィザーズvsペイサーズの一戦は、レギュラーシーズンをスウィープした相性の良さそのままにウィザーズが圧倒する一方的な展開となり、セブンティシクサーズが待つプレーオフ1回戦へと駒を進めた。第3クォーター途中でウィザーズの得点が3桁に乗るハイスコアゲームで、相手の長所を消しに行くより自分たちのやりたいプレーを優先した大味な展開となった。

それでもハイペースな得点の奪い合いで競ったのは第1クォーターまでで、その後はウィザーズが抜け出す。チャンドラー・ハッチソンとダニエル・ギャフォードが入るとウィザーズのディフェンスはスピードでも高さでもペイサーズを上回り、特に前半だけで5ブロックを記録したギャフォードの強力なリムプロテクトがペイサーズのオフェンスを抑え込んだ。そこからラッセル・ウェストブルックのトランジションが発動し、ロビン・ロペスのフックシュート、ギャフォードのアリウープなどインサイドの得点も着実に伸びて、ウィザーズがこのクォーターを36-23と圧倒した。

さらには第3クォーター、ペイサーズは修正が利かないまま八村塁に力強いドライブを決められ、ラウル・ネトにもスピードで切り裂かれてディフェンスが崩壊。ウィザーズは攻め手を緩めることなくたたみかけ、前半はタッチに苦しんだブラッドリー・ビールがドライブに3ポイントシュートを次々と決め、八村も果敢なアタックからドライビングレイアップにフリースローと得点を積み重ねた。

第3クォーター終了時点で114-83と勝敗は決したようなもの。攻守を力強く牽引したウェストブルックは18得点8リバウンド15アシストで珍しくトリプル・ダブルを逃したが、これは楽勝の展開だった結果。メンバーを落とした試合終盤も形勢は変わらず、142-115でウィザーズが勝利を収めた。

ペイサーズは主力にケガ人が出て、キャリス・ルバートは健康安全プロトコルにより欠場と厳しい状況で、第2クォーター序盤に主力を揃って下げた時間帯にウィザーズに一気に試合の流れを持っていかれてしまった。それでもタレントの欠如以上に相手の攻めに対してアジャストできず、ただただ相手に気持ち良くオフェンスをされて、ポストシーズンにもかかわらず142失点を喫したのでは勝機は見えてこない。

ウィザーズはセルティックスに敗れたものの、ここで大勝して東カンファレンスの第8シードでプレーオフに進出。ウィザーズにとっては2017-18シーズン以来の、そして八村塁にとってはキャリア2年目にして初のプレーオフ進出となる。